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タイヤが原因で車検に通らないということはあり得るのか?タイヤは車検において重要ポイントです

投稿日:2020/07/16

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車検に通らない原因に多いのがタイヤの状態です。すり減ったタイヤや、経過年数が長くひび割れなど劣化していると車検に合格しません。それだけ車を安全に走行させるためにはタイヤは重要なパーツなのです。では、具体的にタイヤがどのような状態になると車検に通らないのか、そして、普段からタイヤをチェックするポイントはどのようなことなのでしょうか?この記事では、タイヤと車検について様々な角度から解説したいと思います。

車検でタイヤが厳しくチェックされる理由とは?


タイヤは車の安全にとって特に重要なパーツ

車が公道を走行するために安全で十分な性能を備えているかを検査するのが車検です。そして、タイヤは車と路面の唯一の接点となるために、特に重要なパーツとしてとらえられており、厳しいチェックが必要となっています。タイヤは車自体を支え、高速道路などの過酷な走行にも耐えられるように、厚みが決められています。タイヤがすり減ってこの厚みが少なくなると溝が浅くなり、走行性能に影響が出て安全な性能が発揮できません。

摩耗によって溝が浅くなると、まずブレーキの性能が低下して制動距離が伸びます。そうなると、ブレーキを踏んでも思った以上に制動距離が長くなり、交通事故につながるケースもあります。特に雨などのスリップしやすい路面ではその傾向が顕著に現れます。また、エンジンから伝わる駆動力やコーナリング時の安定性も失われます。雨の日には、タイヤの溝が排水することでスリップを防いでくれますが、溝が浅くなると、上手く排水できず、タイヤと道路の間に水が入り込み、タイヤが道路から浮く現象がおこり大変危険なのです。ブレーキ性能と排水効果が落ちたために、防げる事故も防げずに重大事故につながることもあります。そのために車検ではタイヤのチェックが厳しく行われます。

タイヤに関する罰則(保安基準)

タイヤには保安基準があり、タイヤの溝がすり減ったことを知らせるスリップサインが出た状態のまま公道を走行すると整備不良となります。整備不良は違反点数が2点加算され、罰金が課せられることもあります。

車検に通らないタイヤとは


溝のすり減り

タイヤの溝が浅くなると車検に通りません。タイヤの溝は、新品で約8mmありますが、タイヤの溝の奥にある盛り上がりである「スリップサイン」は約1.6mmで現れます。このスリップサインが現れたタイヤは公道を走行できないので、1本でも1.6mm以上タイヤの溝が残っていなければ車検は通らないことになります。

また、雪道を走るためのスタッドレスタイヤにはスリップサインのかわりに、溝の深さが半分以下になったとき「プラットホーム」という印が現れます。プラットホームが出た状態では凍結した路面や雪道の走行は危険なので、スタッドレスタイヤとしては使用できません。この状態でも通常タイヤとして使用することは可能ですが、やはりタイヤの溝が1.6mm以下になると車検に通りません。

偏摩耗やヒビなど

運転時の癖や駆動方式によって減る箇所は違います。4本のうち1~2本だけ2倍以上摩耗の差が出てしまう場合もあります。また、内側と外側の減り方も異なる場合もあり、外側は新品同様でも内側はスリップサインが出る場合もあります。このような偏摩耗を起こし、1ヶ所だけでも溝残量が1.6mm以下となれば車検に通りません。また、走行距離が短くタイヤがすり減っていなくても、経年劣化によってタイヤにヒビが入ってしまう場合も車検に通らない可能性があります。タイヤは車の重量を支えているので、ヒビが大量にあると、走行時に耐えられずバーストしたりパンクしやすくなるため非常に危険とされています。

タイヤのサイズ

タイヤのサイズも車検ではチェックされますが、多少タイヤのサイズを変更しても車検に落ちることはありませんが、走行に影響を及ぼすようなサイズ変更は別です。大きさの異なるタイヤを使用しているために車高が確保できていない場合や、ボディに接触していたり、規定値以上にはみ出している場合は車検に通りません。

タイヤのメンテナンス

車検のこともありますが、安全に走行するためにも日頃からタイヤの状態をチェックしておきましょう。

・適正な空気圧

タイヤの空気圧は1カ月で5〜10%低下するため、月に1度くらいはタイヤの空気圧を確認しましょう。空気圧が低下したまま走行すると燃費が悪化するだけでなく、走行性能の低下や偏摩耗の原因になります。見ただけでは判断が付きにくいので、市販されている空気圧チェッカーを使用するか整備工場で見てもらうと安心です。

・溝の深さと偏摩耗の有無

タイヤの溝の深さは常に確認することが必要です。スリップサインが出ていると車検にも通らないだけでなく、事故を起こす原因にもなるので非常に危険です。日頃から目視するだけでもいいのですが、一部だけ異常にすり減っているという偏摩耗を起こしていないかは判断が難しい場合もあります。整備工場でタイヤをローテーションしてもらうと偏摩耗の確認ができるのと、摩耗のバランスを保ちやすくなるので偏摩耗を防ぐことにもなります。

・傷の有無

タイヤの表面やサイドに傷やひび割れがないかもチェックしますが、内側は見えないのでやはり整備工場でリフトアップしてみてもらう必要があります。外傷は路肩や異物への接触、落下物への乗り上げによって起こる場合があるので、そのような事態に遭遇したら早めに整備工場で見てもらう必要があります。

・ひび割れの有無

ひび割れは経年劣化で発生するので、走行距離に関わらず長い間交換していなければ劣化する可能性があります。また、オークションサイトなどで安すぎる価格で出品されているタイヤを購入する場合では長期在庫されていたケースもあるので、製造年月日のチェックが必要です。

タイヤ交換のタイミング

タイヤの溝は走行約5,000kmで1mm程度摩耗するといわれています。新品タイヤの溝は約8mmなので、使用状況によって変わりますが、約32,000km走行するとスリップサインが出る1.6mmになる計算になります。また、タイヤによっても摩耗具合は変わり、スポーツタイヤなどはより早く摩耗する傾向にあります。

スリップサインが出たら交換する必要があります。またタイヤはゴム製のため時間の経過とともに性能が落ちるので、使用環境によって3~5年ほど経過した段階でタイヤの交換をおすすめします。製造メーカーによっては、製造から5年以上のタイヤは日常点検を継続すること、10年以上のタイヤは問題無くても交換することを推奨しています。そのため車検前にタイヤ交換をすると理想的で、そのまま安心して車検を通すことができます。

2000年以降に製造されたタイヤの製造番号は、タイヤのサイドウォールに4ケタの数字で表記されています。最初の2ケタが週で、次の2ケタが年となります。 タイヤに問題があれば車検に通りませんし、新品の時と半分ほどすり減った状態ではタイヤの性能も劣化しているので、安全のためにも早めの交換が必要です。

まとめ

タイヤは車にとって非常に重要なパーツのため、車検で厳しくチェックされます。すり減っているタイヤやヒビのあるタイヤは車検に通らないばかりか事故にもつながるので、事前に交換しておくべきでしょう。そして日頃からタイヤをチェックするクセをつけ、安全に車を使用するためにも定期的に整備工場で見てもらう事もおすすめします。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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