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整備
車の塗装が劣化してしまう。その原因と劣化を防ぐ方法はあるのか?
投稿日:2020/03/24
皆さんは、お車のお手入れはどのようにされていますか? 綺麗な状態で乗り続けている人もいれば、買った車のボディカラーが色あせて来たし、塗装が劣化したように感じる…なんて人もいるのではないでしょうか。
今回は、車の塗装が劣化する原因などについて、ご紹介いたします。 大切な愛車の塗装を劣化させずに、いつまでも綺麗で長持ちさせる方法はあるのでしょうか?
車の塗装ってどうなっているの?
まず、車の塗装がどのようになっているのか掘り下げていきたいと思います。 塗装は、①下塗り②中塗り③上塗りベース④上塗りクリアーの4層構造になっています。
『下塗り塗装』 錆びを防ぐコーティング
『中塗り』 ボディの色を綺麗に見せる塗装
『上塗りベース』 車のカラー本体
『上塗りクリアー』 全体を保護するコーティング剤として機能します
上塗りベース(ボディカラー)には、3種類ありそれぞれソリッド・メタリック・マイカ(パール塗装)と呼ばれています。
『ソリッドカラー』 一般的に、単色塗装のことを言います。
『メタリックカラー』 アルミを混ぜた塗装で、キラキラ輝いて見えます。
『マイカカラー』 パールのような光沢があるのが特徴的な塗装です。
ソリッドカラーは、単色塗装の為、劣化に弱く中でも濃い目のカラーリングや暖色系(赤など)は、特に劣化が著しく、しっかりと管理しないと色あせていく傾向にあります。 反対に、メタリックカラーやマイカカラーは劣化に強く、中でも白や黒、寒色系(青など)は劣化しにくい傾向があります。
車の塗装が劣化する原因って?
それでは、塗装が劣化していく原因についてご紹介いたします。
車の塗装は、紫外線、花粉、鉄粉、鳥の糞、水垢などによって劣化します。中でも紫外線による塗装の劣化が一番よく見られます。
紫外線によって引き起こされる「チョーキング現象」により、塗装が劣化していきます。上塗りクリアーが劣化することにより、紫外線が上塗りベース層に届き色あせの原因となります。塗料の分子結合が破壊されることにより、白い粉となって色が褪せていきます。 中でも、生産から10年以上経過した車は特に紫外線の影響を受けやすい傾向にあります。
花粉は、ペクチン(タンパク質)が含まれており、このペクチンが原因となって花粉染みが生まれます。花粉染みは、ペクチンが濡れることで塗装に付着し染みを作りだします。花粉の種類によっても影響が変わってきますが、春先のスギやヒノキ花粉が中でも影響が強いと言われます。粘着力があり、粒子が大きいことが原因です。一般的には、強烈な油汚れなので、濃い目のシャンプーで数回洗車します。または、シャンプーが乾かない程度につけて放置をし、洗い流す方法もあります。お湯を使うとより効果的に落ちやすくなります。
鉄粉は、鉄工所や線路が近くにある環境に駐車することで、鉄粉が積もってきます。結果として、鉄粉が原因でボディが錆びてしまいます。鉄粉を落とすには、鉄粉を落とす為の専用クリーナーで落としましょう。 水洗いのみでは落とし切れません。
鳥の糞は、強い酸性の消化液が含まれているので、塗装を溶かす作用があります。鳥の糞が付着していたら早めに水洗いで落としましょう。
水垢は、塗装に付着することで、ミネラル分が白い水玉(イオンデポジット)になります。クレーターのようにへこむ原因にもなるので、こまめな洗車が大切になります。
また、自然や環境による原因以外にも、事故やちょっとした運転のミスによる擦り傷やヘコミなどによって、再塗装が必要となることもあります。深い傷やヘコミの場合は板金塗装が必要となります。傷口から鉄板がむき出しになり、そこからサビが発生することにより車の劣化が急激に進みますので、早めの対応が必要となります。
車の塗装を劣化させないようにする方法?
車の塗装を劣化させない方法について原因を踏まえた上でご紹介いたします。 具体的に考えられる方法は以下3点です。
①カバーをかける
②洗車をする
③コーティング剤を塗布する
劣化を防ぐ方法として、ガレージに入れたりカバーを掛けたりして紫外線に当たらないようにすることや、コーティングで塗装を保護することなどが挙げられます。また、鳥の糞の影響や雨風などからも防ぐことができるので、より長く塗装の良い状態を保つことが可能となります。
洗車は、1~2週間に1回程度行うようにしましょう。洗車を多くやりすぎると塗装が剥がれてしまう原因となってしまう可能性もあるので、洗車をし過ぎるのも良くありません。
コーティングは被膜ができるので、紫外線が上塗り層に届きにくくなり効果的です。コーティング剤などを購入して自分でやることもできますが、専門業者や整備工場、板金塗装工場などでやってもらうとより効果的にしっかりとコーティングしてもらえるので、より確実に塗装の劣化を抑えることが可能となります。
コーティングの順番として、①手洗い②鉄粉除去③コンパウンド④脱脂⑤コーティングという流れで行われます。綺麗なコーティングをする為に①~⑤までを自分で行うことも1つの方法ですが、プロに任せる方がより確実に行ってもらえるのでオススメです。綺麗にできると手触りもすべすべになります。
自身でコーティングをする場合、脱脂作業はしっかりと行いましょう。油分をしっかりと取り除いておくことでコーティング剤が付着しやすくなり、また、最後にワックスではなくコーティング剤を使ってコーティングを行うと、きれいなボディが復活します。
車の塗装が劣化したらどうしたらいい?
塗装が劣化した場合、以下の方法で塗装を蘇らせることが可能です。
まず、塗装を塗り直す方法です。 塗装を塗り直す場合、下地を削ってから塗り直します。劣化具合によって、どのくらい下地を削るのかが変わってきます。ボディカラーに合わせた塗料を混ぜ合わせカラーを作り塗り直します。費用がかかりますが、綺麗なボディカラーが蘇ります。
また、コンパウンド入りのワックスで磨く方法です。 市販されているものを使って、実際にやってみるのも方法の1つですが、プロにやってもらうことで、よりボディ塗装の艶やかさを取り戻すことが可能となります。合わせて、コーティング作業も行ってもらうことでボディ塗装の劣化を抑えることが可能となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。 車の塗装が劣化する原因や車の塗装についてご理解頂けたでしょうか。 大切な愛車の塗装は、日頃からメンテナンスをして綺麗に保つことも大切ですし、あまりにも気になる場合は板金塗装屋さんへ持って行って、ボディ塗装をしてもらうという方法も1つの手です。 塗装が劣化しないように気を配りながら、楽しいカーライフをお過ごしください。
[Dr.輸入車ドットコム編集部]