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実は身近なトラブルであるタイヤのバースト。日常点検でリスクを回避できる!

投稿日:2020/02/18

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タイヤがバーストするなんて自動車レースぐらいのもので、自分には関係ないと思っていませんか?実はかなり多く発生するトラブルなのです。路肩にちぎれたタイヤの破片などが散らばっているのを見かけたことはありませんか?あれはタイヤがバーストしたためなのです。もし、走行中にタイヤがバーストしたら大きな事故につながり、自分だけじゃなく周りの人にも被害が及んでしまいます。タイヤのバーストはなぜ起こるのでしょうか。そして、防ぐ方法はあるのでしょうか。そこでこの記事では、そのようなことが起きないように、タイヤがバーストする原因や予防法を解説します。

タイヤのバーストとは?

バーストとは、走行中に突然タイヤが破裂することを指します。通常はめったに起こりませんが、万が一バーストしてしまうと車両のコントロールができなくなり、周辺設備への衝突や他車への二次被害に繋がる可能性が高い危険な事故になってしまいます。また自車にとっても、タイヤ周辺のボディやサスペンション、ブレーキ等の主要パーツ類にも損害を与える可能性が大きいので、修理費用も高額になるケースが多いのです。

バーストとパンクは別物

タイヤが破裂するので大きな音が鳴り、同時にハンドルが大きく取られます。そして破片がボディ内部をたたく音も聞こえるはずです。 これが徐々に空気が抜けるパンクと大きく異なる点で、パンクの場合は気付かず走り続けてしまう方もいますが、バーストは大きな音と明らかにハンドルに異常が生じるので、誰でもすぐにバーストと思わなくても何か車に起こったというに気付くはずです。

特に前輪にバーストが発生するとハンドル操作がきかなくなり、重大な事故となる危険性が伴います。コーナリングの最中にバーストした場合は、反対車線や歩道へはみ出すことも考えられ、その結果、正面衝突や人身事故にもなりかねません。また、ブレーキの効きも悪化するので、前方に停車した車がいれば追突する可能性も出てきます。場合によっては転倒などという最悪の事態もあります。このように、タイヤのバーストはパンクとは比較にならない大変危険なトラブルなのです。

バーストは日常点検で防げる

パンクは走行直前に点検して異常がなくても異物を踏んだりして突然発生することがありますが、バーストは日常点検を行っていればほとんどの場合避けることが出来ます。つまり点検をしっかりと行っていれば、この恐ろしいバーストは避けられるのです。バーストの原因はタイヤの劣化と空気圧ですから、このバーストの前兆をチェックして予防することが大切です。

バーストで最も多い原因は空気圧

タイヤがバーストするというと縁石や突起物にタイヤを強くこすってサイドウォールに傷が入ったり、落下物を踏んでしまったなどといった外部からの接触が原因と思われかもしれません。もちろん、これらの原因もバーストにつながる要因ですが、実は、空気圧の低下こそがタイヤがバーストする原因の中で最も多いのです。

特に空気圧が少ない状態で高い速度で長時間走行すると、タイヤがたわむ事で起きるスタンディングウェーブ現象が発生します。こうなるとタイヤ自体が熱を持ち、たわむことでタイヤが激しく変形をしいられ、内部で形状を保持する“コード”と呼ばれる補強材が損傷し、タイヤが原型を維持できなくなって破裂、粉砕するバーストに至ります。空気圧が少ないというだけでいとも簡単におこる現象です。高速道路に入る前のガソリンスタンドのスタッフから「空気圧を見ておきましょうか?」と声をかけられるのはこのような事例が多いためなのです。

過積載やタイヤの劣化もバーストの原因になる

トラックなどでは、積載上限を超える過積載という状況で同様の現象が発生します。これも長時間の走行でタイヤに負荷をかけることで、バーストが発生しやすい状況となるのです。高速道路脇で見かけるタイヤの破片に大型トラックのものが多いのはこのためだと思われます。そして、気を付けなくてはいけないのが、過積載は普通車であっても起こる可能性があることです。ミニバンなどでのフル乗車の場合、それだけでかなりの積載量になるので、取扱説明書やメーカーのサイトで、自分の車がどのくらいの積載が可能なのかをチェックしておくことが必要です。

タイヤのひび割れは要注意!

タイヤの劣化が原因でバーストが発生する場合もあります。タイヤはゴム製品ですから、時間が経過すると硬くなり、タイヤの側面に筋状のひびが入ることがあります。ひびが入ったタイヤで走行し続けると、その程度によっては水が入り、内部のスチールワイヤーが錆びることでタイヤの強度が下がってしまい、走行中にたわみが生じやすくなり、バーストする危険性も高まります。

ひび割れと劣化を防ぐには

ひび割れの原因としては、紫外線や熱、タイヤワックス等の薬品です。常に使用しているタイヤだけでなく、交換用の冬用タイヤなども直射日光に当たる場所に保管しないようにするなど、保管・メンテナンスの方法に注意を払う必要があります。

タイヤの硬化は時間の経過によるものなので、新品であっても古くなっているものには注意が必要です。ネットオークションなどで格安タイヤを購入する場合などは新品であっても何年も在庫されている古いタイヤであることも多いので、出来るだけタイヤの状況や製造年を事前に確認し、念のために返品可能であることも確認しておきましょう。

それでもタイヤがバーストしたら?

タイヤのバーストは事例が多いものの、身近で経験した人はほとんどいないのではないでしょうか。ですので何が起こるのかわからない事が多いうえ、実際に発生するととても焦ることは間違いないと思います。4つのタイヤうちどのタイヤがバーストしたのかで車の挙動は違うのですが、一時的に大きくハンドルを取られコントロールが困難になるのは同じです。まずはしっかりとハンドルを握り、速度は落としますが急ブレーキは避ける必要があります。

タイヤがバーストしたら路肩に停車

タイヤがバーストしたら、周囲の安全を確認しながら路肩へ車を停車させることに集中してください。 滑ることもありますが、慌ててハンドルを逆に切ったりすると予想外の方向に言ってしまう可能性があります。スピードさえ落とすことが出来ればタイヤが一本なくても車はコントロールできるので、基本はハンドルをあまり回さず、ゆっくりブレーキを踏んで減速することです。特に高速道路では急な減速は追突される危険性もあるので、ハザートランプを点滅させて徐々にスピードを落とし、周囲の状況を確認しながら路肩へ停止させます。

無理に走り続けると車のダメージが大きくなる

タイヤがバーストしたまま、そのまま走るのは厳禁です。思うように運転できないので大変危険なのは当然ですが、無理して走るとホイールが変形してホイールごと交換しなければならなくなります。また、車体のフロア面を傷つけたり他のパーツに重大な損傷を与えて修理代が高額になる可能性があります。そのため、スペアタイヤに交換したり、無理ならレッカーで運んでもらう事が必要です。判断に困ったら、JAFや加入している保険会社に連絡してロードサービスを呼んでもらうのも良いでしょう。

まとめ

タイヤは路面と接していることから最も重要な部品の1つといわれています。タイヤに不具合があると車体をコントロールするのは困難となります。タイヤは命を乗せて走っていると言っても大げさではありません。それでも、バーストの最も多い原因となる空気圧を点検する人は少ないようです。何十年も車に乗っていても一度も空気圧を点検したことがない人も珍しくありません。それだけタイヤの性能が上がっていると言えますが、常にチェックしている人は、空気圧が意外と早く減っていくことを知っています。

バーストは自分だけでなく回りも巻き込む非常に危険なトラブルですが、定期的にタイヤの状態をチェックすれば防げるトラブルでもあります。タイヤは見えている部分は問題なくても内側だけ減ってしまっていたり、触らないと分からないトラブルの予兆が発生している事もありますので、信頼できる整備工場で自動車のプロに点検してもらう事をおすすめします。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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