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輸入車整備事例

専用の特殊工具で解決! ~リンカーン ナビゲーター スパークプラグ交換~

投稿日:2019/12/07

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自動車整備をしていると避けては通れないトラブルがあります。 その代表が取り付けボルトに関するトラブルです。

規定トルクよりも強く締めてしまい折れてしまった、、、無理な角度で締めていたら歪んで入ってしまいネジ山が損傷してしまった、、、錆び付いたまま緩めたら折れてしまった、、などなど。 どんなメカニックでもこんな経験を必ずしてきていると思います。

この事例ではエンジンに取り付ける重要なあるパーツに関するトラブル事例を紹介します。

もし取り付けボルトが折れてしまったら

ボルトが折れてしまったら、専用の工具でネジ穴に残ったボルトを削ったりしながら何とか取り外し、ネジ山を修正して一件落着となるのですが、そこまでの道のりは大変なものになります。

しかも折れたボルトを取り外すための専用工具を使うためには作業スペースを確保しなければならず、ボルトが折れた周辺の部品を取り外したりする必要があり大変な作業となってしまいますので、ボルトが折れた瞬間は現実から逃げたくなるほどです。。。

そんな事もあり、メカニックはボルト1本の締め付けに対しても集中して作業を行っているのですが、自動車1台に数千本もあるボルト類の中でも、メカニック皆がここだけは絶対に失敗してはならないと慎重に慎重を重ねて作業をする箇所があります。

慎重に作業を行う箇所とは?

それはスパークプラグです。

スパークプラグもネジ山にねじ込んで締め付けるボルトと同じ取り付け方になっているのですが、取り付ける場所がエンジンの主要部分でもあるので、この部分を損傷させてしまうと大変なことになってしまいます。

スパークプラグ取り付け部を損傷させてしまうと修理のためにエンジンを分解しなくてはなりません。エンジンの外側からでは作業が難しい事と、ネジ山修正時に破片などがシリンダー内へ入ってしまうとエンジン内部が壊れてしまうからです。 そうなってしまうと修理のために最低でも1日掛かり、ユーザー様へ大きなご迷惑を掛けてしまうため、慎重な作業がとても大切な部分なのです。

スパークプラグが折れてしまった事例をご紹介

そんな大事なスパークプラグですが、取り外す際に折れてしまった事例を紹介します。

車はリンカーン ナビゲーター。

ユーザー様からスパークプラグの交換依頼をいただき、通常通りスパークプラグを緩めて取り外そうとした瞬間、、、、何か嫌な感触が。。。 取り外してみると先端が分離してしまい、スパークプラグの一部分がシリンダーヘッドに残ってしまうという大変なことになってしまいました。

スパークプラグが折れてしまったら

実際に折れてしまったスパークプラグがこちら。







このように先端の筒部が分離してしまうのです。 この事例での作業では1台分8本のうち4本のみ問題なく取り外すことができましたが、残り4本は先端の筒部がエンジンに残ってしまいました。。。 こうなってしまうとエンジンを分解し、エンジン内側にあるシリンダーヘッドの燃焼室側から残ったパーツを取り除かなければならなくなり、そのためにはエンジンの各パーツを取り外してシリンダーヘッドをエンジンから取り外す必要があるため、かなり大掛かりで大変な作業になってしまいます。

実は・・

実はこのリンカーン ナビゲーター、搭載エンジンの種類にもよりますが、このような事例が非常に多いことからエンジンにスパークプラグの一部が残ってもエンジンを分解せず取り外すことができる特殊工具があるのです!







この特殊工具があればエンジンを分解せずに取り外すことができますので、復旧までの作業時間が大幅に短縮できます。

原因は特殊な形状

このように折損してしまう理由は専用のスパークプラグの特殊な形状にあります。 先ほどの画像でも見ていただいたように、普通のスパークプラグとは違って先端が筒状になっています。










ネジ部の先が筒状になっている珍しい形状で、この筒部がシリンダーヘッド内で固着してしまい、工具で緩めた瞬間にスパークプラグからこの筒部が分離しシリンダーヘッド内へ残ってしまうのです。

この作業を行ったメカニックは事前にこのような事例があるエンジンであることを確認していたので、折れてしまっても準備した特殊工具でエンジンに残ってしまったスパークプラグの先端部を問題なく抜き取り、新品のスパークプラグに交換してユーザー様のご依頼通り作業が完了しました。

まとめ

このような事例がある事を知らずに作業を行っていれば、折れこんだ時点でかなり焦ってしまったと思います。輸入車を整備するに当たっては、国産車整備とは違った考え方で作業にあたらなければならない場面がたくさんあります。 紹介事例のような事が起こってしまった場合、輸入車に対応した整備工場ならこのように特殊工具でユーザー様の負担なく作業が完了しますが、このような事例を知らない整備工場だと、ユーザー様へエンジン分解費用の請求が発生してしまう可能性もあります。

輸入車への知識や経験がある整備工場だと、事前にユーザー様へ様々な提案やリスクの説明もしてもらえるので、輸入車整備は信頼できる輸入車に対応した整備工場へ任せるのが安心ですね。 輸入車整備は信頼できる輸入車整備工場へ任せましょう!

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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