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輸入車整備事例

振動が気になりだしたら ~メルセデス・ベンツ S350 W221 エンジンマウント交換~

投稿日:2019/11/22

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皆さまの愛車はエンジンを始動した時やアイドリング時、ミッション変速時などに振動が大きいなと感じたことはありませんか。 もし愛車から今までと違った振動を感じた場合はエンジンマウントの状態が良くない可能性があります。

この輸入車整備事例ではエンジン始動時とアイドリング時に振動が気になりだしたメルセデス・ベンツ S350(W221)のエンジンマウント交換事例を紹介します。

振動が気になりだしたS350(W221)

今回紹介するメルセデス・ベンツ S350は、V型6気筒のDOHC24バルブ 3,500ccのエンジンを搭載した非常にパワフルな車です。 このV型6気筒エンジンはパワフルだけではなく、非常に振動が少なく静かなエンジンでもあり、メルセデス・ベンツの高級感のある乗り心地良さに大きく貢献しています。

そんなメルセデス・ベンツ S350ですが、ここ数週間前からエンジン始動時に少し振動が発生することと、信号待ちなどのアイドリング時に今までと違う振動が気になりだしたとの事で点検のためご入庫いただきました。

確認すると国産車やコンパクトカーでは全く気にならない程度の振動ですが、メルセデス・ベンツ S350として考えると気になるレベルの振動が発生していました。 このレベルの振動で気になりだしたというユーザー様は、普段から車の状態をしっかりと観察され大事にお乗りいただいており、流石メルセデス・ベンツユーザーだなあと感心してしまいました。

振動を原因と確認

こちらのお車のエンジンマウントは、エンジン下のサブフレームの上に左右2つあり、エンジンを下から支える構造になっています。 点検のため作業リフトで車を上げて下からエンジンマウントの確認を行います。

目視で点検すると大きな損傷はありませんでしたが、長年輸入車整備を行っているメカニックの経験から、この状態は劣化が進んでいるとすぐに判断できましたので、ユーザー様へお伝えし交換する事となりました。

交換前のエンジンマウントはこのような状態

取り外して新品のパーツと比較してみると一目瞭然。 





こちらのお車は2010年モデルとなりますので10年近くエンジンを支えてきたマウントは、ゴムが劣化し沈み込んで低い状態となっていて、この沈み込んだ分、エンジンからの振動を吸収出来ずに車体へ振動が伝わってしまっていました。

そしてこのマウントはゴムの塊ではなく、中にオイルが封入されてより振動を吸収するようになっているのですが、経年劣化からの損傷もありオイルが漏れだしてしまっている事も確認できました。 やはり交換が必要な状態でしたので、メカニックの長年の経験からの判断は間違っていませんでした。

エンジンマウント交換の工程を解説

交換作業は先ずエンジンハンガーという工具でエンジンを上から吊り上げて支えておき、下からはサブフレームの取付部を緩めてサブフレームを下げ、エンジンとサブフレームの間からエンジンマウントを取り外して交換します。作業中はエンジンが車体から分離する状態となりますので慎重に作業を進めていきます。 今回は左右のエンジンマウントに加え、ミッションを支えるミッションマウントも同時に交換しておきました。

このようにエンジンマウント交換は大掛かりな作業となり、狭いエンジンとサブフレームの隙間で工具を巧みに操り作業を行うメカニックはやはり凄いなと改めて感じる作業でもあります。

エンジンマウント交換は効果絶大

交換後は本来のメルセデス・ベンツらしい静かな乗り心地に戻り、ユーザー様は新車の頃を思い出したと非常に喜んでいただけました。 エンジンマウントがエンジンをしっかり支えるようになった事で、振動や静寂性の改善だけでなく、エンジンと車体が一体となった安定感も得ることができますので、エンジンマウント交換は非常に大きな効果のある作業だとも言えます。

交換費用のご紹介

交換にかかるパーツ代は、メーカー純正部品ですとエンジンマウントが1個約2万円なので左右で4万円、そしてミッションマウントが約1万円となり合計で約5万円となりますが、今回は海外から入荷した優良社外品と呼ばれる高品質で低価格なパーツを使用しましたのでパーツ代は合計約4万円で収まり、作業工賃は4万円ほどとなりましたので、すべて合計で8万円近くの作業となりました。

輸入車のエンジンマウントは消耗部品

エンジンマウントは国産車では頻繁に交換するパーツではありませんが、輸入車では消耗品としてよく交換するパーツでもあります。 これは輸入車のエンジンマウント品質が悪いという訳ではなく、国産車のように壊れたから交換するといった考えと違い、輸入車はこのようなゴム製の劣化するパーツは定期的に交換する消耗部品という考えで造られているためです。

エンジンからの振動はそのままにしておくと乗り心地が悪化するだけではなく、エンジン制御に関わる電子部品やコンピューター、配線などに悪影響を与えてしまう事にも繋がります。 酷い場合にはエンジン始動時に大きな異音が発生したり、ミッションのシフトチェンジのたびに大きな振動が発生し安全運転にも悪影響を及ぼしかねません。 ですので早めの点検と定期的な交換をお勧めするパーツでもあるのです。

まとめ

この事例の場合、国産車の整備しか行っていない整備工場では振動原因がすぐにエンジンマウントだという判断は出来なかったかもしれません。今回のように輸入車を取り扱っている整備工場では輸入車の特徴を理解した点検整備を行っておりますので、普段との変化や気になる症状があれば輸入車整備工場ならすぐに原因を究明してくれるかもしれません。

輸入車は国産車とは違った視点での点検や、メーカー・車種ごとの特徴を掴んだ整備が大切です。 輸入車の整備は信頼できる輸入車整備工場へ任せましょう。

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[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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