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輸入車整備事例
輸入車と国産車のブレーキの違いと、ブレーキメンテナンスに大事なこと
投稿日:2019/08/23
自動車は数万点もの部品の集合体でもあります。
動力となるエンジンから、効率的に動力を伝えるミッション、曲がるためのステアリング機構やパワーウィンドウなどの便利機構まで、あらゆる機械が集まって走っています。 そして近年はコンピューター制御の高度化が飛躍的に発展し、電子制御部品も非常に多くなっています。
その中でも最重要部分となるのが“ブレーキ”
いくらエンジンが調子良くても、ブレーキに問題があれば非常に危険なので早急にメンテナンスが必要です。 輸入車と国産車ではブレーキ構造の違いに大差はありませんが、やはり輸入車独特の部分があるので輸入車のブレーキ事情についてご紹介します。
輸入車と国産車でのブレーキの違い
まず輸入車と国産車で違う部分のひとつとして、“ブレーキローターの摩耗”があります。 ブレーキはタイヤと一緒に回転する「ブレーキローター」という円盤状の部品を、「ブレーキパッド」で挟み込んで作動させており、このブレーキはディスクブレーキと呼ばれます。 小型車や軽自動車などは後ブレーキにドラムブレーキと呼ばれる別の機構を採用している車もありますが、輸入車は前後ともディスクブレーキの車が多いです。
ディスクブレーキではブレーキパッドを摩耗させながら制動力を上げるため、限界値近くまで摩耗してくると交換が必要となります。 整備工場でブレーキパッドが残り4㎜なので交換した方が良いですよ、などフロントマンやメカニックから提案を受けた経験がある方も多いのではないでしょうか。 ブレーキパッドは4㎜以下となれば交換時期となり、これ以上摩耗が進めば熱による制動力不足や異音が発生する可能性もあるので、早めに交換することをおすすめします。 走行環境や乗り方にも大きく影響されますが、通常の走行では2~3万キロ走行で交換となります。
輸入車はブレーキローターの交換も必要
国産車では通常ブレーキパッド交換で完了となるのですが、輸入車ではブレーキパッドと一緒にブレーキローターの交換も必要となるのが大きな違いです。 毎回ではなくパッド交換2回につきローターは1回交換という事も可能ですが、2回目のパッド交換時期にはローターが摩耗限界値に達している場合もあり、ブレーキパッドのみ交換した場合はローターとの当り面の問題で異音が発生したりブレーキフィーリングが悪化する事がありますので、できるだけ同時交換をおすすめします。 輸入車ではブレーキローターもパッドと一緒に摩耗しながらブレーキの制動力を上げているので、あまり摩耗しない国産車のブレーキローターと比べて非常に減りが早いのです。
輸入車のブレーキローターが摩耗する理由とは
これは輸入車の部品に問題があるわけではなく、生い立ちに関係があるのです。 輸入車が製造されているヨーロッパやアメリカは、市街地を短距離走る日本と違い高速道路を巡行する乗り方がメインとなります。 そのため使用速度域が高く、安全ためブレーキの制動力を上げる必要があり、ブレーキローターも摩耗させながらより高い制動力を確保する構造となっているのです。 ブレーキローターが摩耗するのは安全を向上させるためなのです。 ですので輸入車はブレーキ性能が高く、国産車よりも安心して走行できる事にも繋がっています。
ブレーキダストによるホイールの汚れを抑制する方法
輸入車のブレーキ性能が高い事は非常に優れた部分でもあるのですが、ブレーキパッドに加えブレーキローターも摩耗するためブレーキダストが多く発生し、ホイールが非常に汚れやすくなります。 ホイールがブレーキダストで汚れている輸入車を見かけることがあると思いますが、汚れる理由はブレーキ性能を向上させているからという事でもあります。
ホイールの汚れは放置しておくと取れなくなってしまう事もありますが、こまめに洗うことでキレイに保つことができます。
しかし、分かってはいるけどこまめに洗う時間がない・・という方が多いのではないでしょうか。
そんな方には「ブレーキダスト低減パッド」がおすすめ。
このパッドに交換することで、今までのブレーキダストが半減し汚れもマシになります。
価格や性能も純正品と大きく変わらないので、次回のパッド交換時やホイールの汚れが気になる方は一度Dr.輸入車加盟の整備工場へご相談くださいね。
輸入車はこんな機構も
そしてもうひとつ輸入車の特徴があります。 近年の輸入車に多く採用されているのですが、後ブレーキに採用されている電動パーキングブレーキ機構です。 国産車にもボタンひとつでパーキングブレーキがON-OFFできる車が増えていますが、輸入車の電動パーキングブレーキは、パーキングブレーキだけではなく走行中にも自動的に作動するようになっています。 これは走行中の車体状態を安定させるために行っていて、車側が車両各部のセンサーからの情報を総合的に判断し、後ブレーキを作動させながらより安定した車両姿勢で走行出来るようにしているのです。 車体姿勢が安定することでコーナリングやブレーキがより安心して行えるようになり、輸入車はドライバーが気付かないうちに車側が自動的に安全性を向上させているのです。
輸入車のブレーキメンテナンスで大事なこと
そして大事なことがもうひとつあります。 電動ブレーキを採用している車両は対応したスキャンツール(外部故障診断機)で設定を行いながら作業を行わないと部品を破損させてしまったり初期設定ができないので、輸入車に対応したスキャンツールを保有した整備工場でなはないとブレーキのメンテナンスが出来ないので注意が必要です。 ブレーキは定期的なメンテナンスを行うことが大事ですが、それと同じく大事なことは輸入車のメンテナンスは輸入車整備に対応した整備工場で行うことです。 Dr.輸入車ドットコムに掲載している整備工場なら輸入車に対応したスキャンツールを保有し、輸入車に対する情報も入手できておりますので安心してお任せください。
まとめ
ブレーキは車の中でも最重要部品です。 ご紹介した内容を振り返ってみましょう。
・輸入車はブレーキ制動力向上のためブレーキローターも摩耗します。
・ブレーキパッド交換時はブレーキローターも同時交換しておきましょう。
・ホイール汚れを抑制するためブレーキダスト低減パッドもあります。
・輸入車は電動ブレーキで車体姿勢を自動制御して安全性を向上させている。
・電動ブレーキのメンテナンスは対応した機器と情報がある整備工場で行うことが大事。
安全性が高い輸入車のブレーキ性能を発揮するためにも、輸入車整備に対応した整備工場で定期的なメンテナンスを行い、安心安全なドライブをお楽しみください。
[Dr.輸入車ドットコム編集部]