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バッテリーはひとつじゃない!? ~メルセデス・ベンツ Sクラス W221 バックアップバッテリー交換~

投稿日:2020/01/24

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メーター内に「バックアップバッテリー故障」と表示されてしまった、メルセデス・ベンツ W221の修理事例をご紹介いたします。

バックアップバッテリーとは?

バックアップバッテリーって?と思われる方が多いと思いますが、別名サブバッテリーとも呼ばれる2番目のバッテリーの事です。

国産車では1台1つのバッテリーですが、輸入車はバックアップバッテリーやサブバッテリーと呼ばれる2つめのバッテリーが装着されているモデルが多く存在します。 サブバッテリーは近年のモデルに装着され、高度化した電子制御に関わる電源を供給する大事な役割を持っています。モデルによってはエンジンを始動させるスターターモーターへの電源供給を行う役割も持つ、非常に大切なパーツでもあります。

バッテリーを点検し交換へ

今回、修理でご入庫いただいたメルセデス・ベンツ Sクラスですが、メーターに「バックアップバッテリー故障」と表示されましたが、特に不具合はないとの事でした。 点検すると、やはりバックアップバッテリーの電圧が弱くなっており、今まで交換の履歴もなく、コンピューターにも特に異常なログが残っていなかったので、バッテリーの寿命と判断し交換作業を行いました。 バッテリーが弱くなってきた事を「バックアップバッテリー故障」と表示し、車側からドライバーに伝えてくれていたのですね。

交換作業を行ったW221のSクラスは、左ハンドル車。 この車両のバックアップバッテリーはヘッドライトスイッチの裏辺りにあり、手の平サイズの特殊な小さいバッテリーが装着されています。









交換自体はそれほど時間がかからないので、カバー類を取り外して交換作業はすぐに完了です。 交換後はスキャンツールでフォルトコードの確認とリセットを行い、メーターへの故障表示も消灯しましたのでそのままご納車となり、交換費用は作業工賃含めて約2万円となりました。

バックアップバッテリーの種類と取り付け位置

近年の自動車、特に輸入車は電子制御が非常に高度化され、その分電力消費も多くなっているため、増えた消費電力を補うためにサブバッテリーを装着したモデルが増えています。

バックアップバッテリーやサブバッテリーにはいくつか種類があり、今回交換作業を行ったW221のような小さなサイズのバッテリーを装着するモデルもあれば、軽自動車用バッテリーサイズくらいのバッテリーを装着するモデル、そしてメルセデス・ベンツ Aクラスなどには「パーキングロックコンデンサ―」と呼ばれるサブバッテリーの役目を行う他のバッテリーとは全く形状の異なるパーツを装着しているモデルもあります。

取り付け位置に関してもモデルやバッテリーサイズ等によって異なります。 エンジンルーム内に設置しているモデルもあれば、トランクルーム内にあるモデル、今回のように運転席や助手席付近に設置しているモデルがあり、バックアップバッテリーを見つける事に苦労してしまうことも・・・。

輸入車のバッテリー交換ではこんな事例も

旧モデルのメルセデス・ベンツ W211やR230などには「SBC」という電子制御ブレーキシステムが搭載され、SBC用に小さなサブバッテリーが装着されていました。 SBC用のバッテリーはエンジンルーム内にあるのですが、カバーを取り外さないとわからない事と、電圧が弱くなった時にはメーターに「バッテリーイジョウ」と表示されるため、輸入車整備経験が少ない整備工場では、間違えて通常のメインバッテリーを交換してしまうケースもありました。

もちろんそれでは警告が消えないため、輸入車に対応した整備工場でSBC用バッテリーを交換して修理完了となり、輸入車を取り扱うには進化する自動車システムの情報入手が重要だという事を実感した事例がありました。

まとめ

輸入車ではこのようにバッテリーが複数取り付けられているモデルが多くあります。そしてメインバッテリー交換後には、スキャンツール(自動車診断機)を使用して交換した事を車両に登録する事が必要であったり、パワーウィンドウやステアリングアングルセンサーの初期設定が必要となるなど、輸入車に対応したスキャンツールが無いとバッテリー交換も出来ない時代になっています。

バッテリーひとつとっても、様々な変化がある輸入車。 車にとって重要なパーツでもあるため、バッテリー交換も信頼できる輸入車整備工場にお任せする事をオススメします。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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