Dr.輸入車ドットコム Dr.輸入車ドットコム

インフォメーション

整備

基準が細かく定められている「デイライト」 車検基準と取り付けの時に注意するポイントは?

投稿日:2020/11/05

メインの画像

夜間ではなく昼間にも安全性向上のために点灯させるデイライト。以前からカスタマイズや安全性向上目的で取り付けるユーザー様もおられましたが、2016年10月の保安基準改正で明確に規定が定められました。昼間点灯用のライトであるデイライトは、最近では人気の高いカスタマイズとして注目されています。しかし、保安基準で細かく定められているために、車検時にそのまま車検を通せるのか不安になることもあるかと思います。 そこで今回はデイライトと車検の基準、そしてデイライトの効果と取り付け時のポイントを確認していきます。

そもそもデイライトって何なのでしょうか?

デイライトは昼間点灯を意味し、英語ではDaytime Running Lights(デイタイム・ランニング・ライト 略:DRL) といわれるもので、昼間の走行中に点灯させるライトのことを差します。

日本では、救急車やパトカーなどの緊急車両が、サイレンや回転灯とともに、対向車や前方の車両や通行する人に注意を促すために使用していました。ヨーロッパでは2011年から義務化されており、日本においては2016年10月に保安基準の改正が行われ、デイライトが正式に昼間走行灯として認められています。最近では、輸入車を中心に新車でのデイライト装着車が増え、国産車も珍しくなくなりました。安全のために取り付けられているデイライトも普及が進んだことで2016年10月に保安基準が改定となり、それまで「その他灯火類」として扱われていたデイライトの項目が明確化されることになりました。では、デイライトの保安基準はどのようなものなのでしょうか?

道路運送車両の保安基準

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第一節〉第 124 条の 2(昼間走行灯)から冒頭部分を抜粋してみましょう。

1. 昼間走行灯の光度は、1,440カンデラ 以下であること。

2. 昼間走行灯の照射光線は、他の交通を妨げないものであること。

3.昼間走行灯の灯光の色は、白色であること。

4. 昼間走行灯は、灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損していないこと。

5. 昼間走行灯は、レンズ取付部に緩み、がた等がないこと。

6. 昼間走行灯の照明部の大きさは、25 ㎠以上 200 ㎠以下であること。

その他、車両中心面に対し対称の位置に取り付けられていることや、点滅しないこと、光軸の角度についても細かく定められています。つまり規定の明るさ以上の光度や向きそして大きさであり、他の車両を幻惑する危険のあるものは許可されず、そしてしっかりと取りつけられている事が求められています。また、色についてもウィンカーなどと区別するために、白色でなければいけません。

さらに、フォグランプやヘッドライトを点灯する際には、デイライトを自動的に消灯(または減光)しなければならないという新基準が設けられています。これは夜間にデイライトを点灯すると明るすぎるからです。そのために、ヘッドライトやスモールランプ、フォグランプを点灯させるとデイライトが自動的に消灯・減光させる仕組みをつくることも必要となっています。

保安基準を守るデイライトの取り付け方

上記「6」の規定によるとランプの下縁が地上から250ミリ以上、上縁が1,500ミリ以下とされて、ヘッドランプ上端より下側に入っていなければならないとなっています。言い換えると、デイライトがヘッドライトよりも高いと認められないということです。横方向では、車幅が1,300ミリ以上の場合、左右のデイライトの間が600ミリ以上、車幅が1,300ミリ未満の車は、400ミリ以上空ける必要があります。つまり、真ん中に寄せてデイライトを取り付けてはいけません。最新のデイライトを装備している新車を見ると、ヘッドライトを囲むラインの外側にあるのはそのためです。

また「3」の保安基準のようにデイライトのランプの合計面積は、照明部の大きさが25㎠以上、200㎠という規定があります。ランプの形状には規定がないので、合計面積がクリアしていればOKです。このように形状が自由ということから、車の表情に変化をつけることができるデイライトが人気になっているのです。

デイライトの基準はどう変わってきたのか

昼間にもライトを点灯するデイライトの規定がなかった日本では、それまでデイライトを「その他灯火類」の扱いとしていたため、明るさは300カンデラ以下とされていました。そのためカスタマイズでデイライトを取り付けた場合でも光量が弱いものしか車検を通すことができませんでした。しかし、2016年10月に保安基準が改正されてからは「デイライト」としての要件が明確化され、明るさが1,440カンデラまで引き上げられました。また色については、白のみの取り付けが許可されています。また新基準では「フォグランプやヘッドライトの点灯の際にはデイライトを自動的に消灯(または減光)しなければならない」という項目があるのは、デイライトのカンデラ数が引き上げられたことで、夜間には明るすぎるためです。

デイライトのアフターパーツ

デイライトはドレスアップの効果も高いことからアフターパーツとしても人気があり、装着しても基準を満たす性能と、適切に取り付けがされていれば車検を通すことは可能です。 アフターパーツとしてのデイライトはカーショップやネット通販などでも、2千円~3千円でも購入できますが、特定の車種専用の物があったり、取り付けに加工が必要なものもあります。保安基準に適合した車検対応のものである事は絶対条件です。 自分で取り付けることは可能ですが、車検を通すことを考えると整備工場に取り付けを依頼したほうが懸命です。ちなみにその場合の工賃は5千円~6千円が相場ですが、特殊な加工が伴う場合は追加料金が発生します。

フォグランプ、スモールランプとの違い

昼間に点灯するデイライトと間違えられるランプ類にフォグランプとスモールランプ(車幅灯)があります。 フォグライトは、霧などの悪天候で視界不良などの際に使用し、クルマの前方下部を照らすようになっています。また、スモールランプは自車の存在を周りに知らせるために使用するライトで、車幅灯とも呼ばれるように、対向車に対して車幅を知らせる役目や、夜間に遠くから認識できるためのものです。

日没時刻以後にフォグランプやスモールランプの点灯だけでの走行は、道路交通法上で無灯火運転となるため、早めのヘッドライト点灯が必要です。ちなみに暗くなると自動的にヘッドランプが点灯する「オートライト」は、夕暮れから夜間にかけての安全性を向上するため、乗用車では新型車は2020年4月から、継続生産車は2021年10月から装備が義務化されました。

まとめ

デイライトは今注目のオシャレアイテムでありながらも、実用性が高く安全性を向上させるアイテムです。保安基準を守ることに注意しながら車をカスタマイズすれば、より自分好みのスタイルにすることができます。新車でもデイライトをデザインのひとつとして活用したお洒落なデザインも多いので、この先もどんなデイライトでデザインされた車が出てくるか楽しみですね。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

車検・点検修理の依頼はこちら

おすすめ記事