Dr.輸入車ドットコム Dr.輸入車ドットコム

インフォメーション

整備

セルフで多い車の燃料誤給油!その時あなたはどうする?対処法を紹介

投稿日:2020/04/01

メインの画像

軽油とガソリン、意外と多い誤給油

車に給油する燃料には、一般的には軽油とガソリンの2種類があります。ディーゼル車には軽油、ガソリン車にはレギュラーガソリンかプレミアムガソリン(ハイオク)を給油します。しかし、給油の際にその種類を間違える人が意外と多いようなのです。そこで、誤給油したらどうなるのか?気が付いたらどうしたら良いのか?ということと、誤給油を防ぐ対策などをご紹介します。

ディーゼルの急増

一昔前までは、ディーゼルエンジン車といえばトラックなどの商用車が中心でした。今でもそれは変わりませんが、乗用車にも環境問題をクリアした、いわゆるクリーンディーゼルエンジン車が増えています。国産車ではマツダや三菱など少数派ですが、パワフルで低燃費、そして燃料代の安さが魅力のディーゼルエンジン車は輸入車に多くなっています。輸入車のガソリン車はハイオク仕様が多いこともあって、日本では特にその比率が高くなっています。

誤給油してしまう原因

誤給油とセルフスタンドの関係

ディーゼル車が増えることでそれまでガソリン車を乗っていた人が多いことから、ついガソリンを入れてしまうといった誤給油も増えています。さらに、ガソリンスタンドのスタッフが給油や窓拭きなどのサービスをしてくれるフルサービス型のスタンドよりも、自分で給油するセルフサービス型スタンドを利用することが多いのも誤給油が増える要因となっています。

ただし、ガソリンスタンドのスタッフによる誤給油の場合もあります。給油する停止位置が軽油のノズルに近かったことでディーゼル車と勘違いして、ガソリン車に軽油を給油したり、ほとんどがガソリン車で、ディーゼル車がめずらしい車種に確認せずガソリンを給油してしまう事例もあります。

その他の理由

このように、誤給油が発生してしまう理由で一番多いのは、「考え事をしていた」「気を取られていた」といううっかりミスです。他にも普段乗らないクルマだったというケースもあります。軽油など今まで入れたことのない人にとって、軽油はトラックがいれるもので、乗用車はガソリンという固定観念があるようです。最近のディーゼル車は音も静かで黒煙も出ないので、言われなければディーゼルとは気づかないという理由もあります。また、「軽自動車には軽油を入れる」とい笑い話の様なケースも本当にあるのです。

間違った燃料を給油するとどうなる?

間違った燃料を給油し、エンジンをかけてしまうと重大な故障の原因となりえます。100%違う燃料ならエンジンがかからないというケースの方が多いのですが、通常は何割かが燃料タンクに残っている状態で給油するので、エンジンがかかることもあります。給油直後は正しい燃料が少し残っていて走らせることができますが、誤給油した燃料の比率が上がって、深刻な症状が出てきます。ディーゼル車にガソリンを入れた場合は、ガソリンには潤滑性がないため、燃料ポンプや噴射ノズルが破損して深刻な故障を起こします。ガソリン車に軽油を入れた場合、軽油はガソリンほど気化しないため不完全燃焼により点火プラグが汚れ、やがてエンジンが停止してしまいます。

エンジンをかけずに対処

誤給油してしまった場合はエンジンをかけないのが正しい対処ですが、知らずにかけてしまったらすぐにエンジンを停止させなければ高額な修理費がかかることもあります。間違ってしまった事がわかったら、すぐにガソリンスタンドのスタッフに伝え、燃料を抜いたりエンジンの洗浄といった作業をしてもらいましょう。当然その分費用はかかりますが、そのまま動かして重大な故障になるよりはずっとましです。

夜間などやそのようなスタッフがいないセルフスタンドであれば、JAF(日本自動車連盟)や加入している自動車保険のロードサービスに連絡して、近くの整備工場まで移動してもらうなどの相談をしてみましょう。

JAFの発表によると、誤給油は2ヶ月間に全国で300件近く発生しており、原因が把握できたもので「フルサービススタンド」での誤給油が7件、「セルフサービススタンド」での誤給油が115件となっています。同じくJAFのデータによると2015年12月では1か月間に発生した救援依頼のうち、軽油とガソリンを誤給油したとものが全国で269件あったといいます。これについてJAFは、「実際には、ドライバーが入れ間違いに気付かず、走行不能などのトラブルとなって救援依頼されたケースも考えられるため、さらに多いことが予想されます」としています。

誤給油を防ぐためには

使用燃料の確認

誤給油を防ぐためには使用燃料の確認しか方法はないと言っても良いでしょう。フューエルリッドの裏に使用燃料が表示されていますが、自分で給油する時はもちろん、スタンドのスタッフに依頼する場合も使用燃料をハッキリと指定し、ノズルの色やメーターの作動状況を見て、しっかりと確認することも必要です。

給油ガンの色の違い

スタンドの給油ノズルは誤給油を減らすために、その油種により色が異なってます。セルフのガソリンスタンドでは、レギュラーガソリンは赤色、ハイオクガソリンは黄色、軽油は緑色のノズル、そして灯油は青色にすることが「危険物の規制に関する規則」で定められています。

給油間違い防止リングとは?

誤給油防止のために、「給油間違い防止リング」というアイテムがあります。給油ガンの色と同じ色の色付きのリングを給油口に取り付けるだけで、勘違いが起きにくくなります。また、リングと一緒に、油種が書かれたステッカーもあるので、リングに貼り付ければさらに間違いが減るはずです。この「給油間違い防止リング」はカー用品店やホームセンター、もしくはアマゾンや楽天といったネットショッピングでも、400円台から800円台という比較的安価で手に入れることが出来るのでおすすめです。

誤給油防止装置

高速道路では走行中にクルマのエンジンが停止してしまうと大事故に発展する可能性があるため、一般道より誤給油のリスクは高いと言えます。 そのため、最近の高速道路のセルフスタンドでは、給油ガンに誤給油防止装置が付いているケースが増えてきています。

誤給油を給油装置側で判断できるようにしたのが、誤給油防止装置です。誤給油防止装置は、給油の際に燃料タンク内で気化した油種を判別し、種類が異なる場合は給油できないようになっています。現状ではこの誤給油防止装置はリスクの高い高速道路のガソリンスタンドに対して徐々に普及している状況ですが、今後は一般のガソリンスタンドでも普及することになります。

まとめ

このように、誤給油を減らすために誰にでもわかるように工夫されているのですが、普段からセルフ給油をしていなかったり、めったに車を運転していない人にとっては、油種の違いを意識することがないかもしれません。給油前のほんの少しでも油種に注意するだけで誤給油によるトラブルは回避できるはずです。それでも油種を間違えてしまったら、近くの修理工場に連絡して、徹底的に見てもらいましょう。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

車検・点検修理の依頼はこちら

おすすめ記事