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自動車のバッテリーの正しい交換方法とは? 誰でも出来ますが注意が必要です

投稿日:2019/12/02

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いざ車に乗ろうと思ったら、エンジンがかからないという経験を一度はしたことがあるという人も多いと思います。その原因の多くが、しばらく車を使用しないとバッテリーが放電してしまったり、何年も交換していないとバッテリー自体が劣化して十分に蓄電できなくなるという、いわゆる「バッテリー上がり」です。一時的に放電しただけなら、その場で他の車からケーブルを使用した充電「ジャンピング」で対処できますが、バッテリー自体に寿命が来ていれば交換が必要になります。

そこで、ここでは自分でバッテリーを交換する方法を中心に詳しく解説します。

バッテリー交換の注意点

作業に取り掛かる前に、ボディの金属部分に触れて、体に溜まった静電気を逃してください。そして、バッテリーを取扱うときは、保護メガネとゴム手袋を着用するのが理想です。

バッテリーの種類をチェックしよう

新しいバッテリーを購入するときは、車のバッテリーを確認し、規格に合った製品を選ぶ必要があります。バッテリーにはさまざまなサイズ・容量があり、国産車ではJIS(日本工業規格)、DIN(ドイツ工業規格)に基づいた表記で性能ランクやサイズ、+-端子の位置を表しているので確認しましょう。例えば、40B19Lと表示されていたら、40は性能のランク、Bはバッテリーのサイズ、19はバッテリーの長さ、そしてLは端子の位置です。特に端子の位置はLの逆のRがあり、間違えるとケーブルと端子が届かなくなってしまいます。また、性能ランクはワンランク上のものが推奨されていますので、寒冷地にお住まいの方などは、購入店で相談してみてください。

工具を用意

工具は10㎜のスパナと、固定ステーを取り外すために10㎜や12㎜のスパナやソケットレンチがあれば十分です。長めの物の方が力が入りしっかりと止めたり外したりできます。 輸入車の場合は8㎜や9㎜・11㎜といったサイズや、固定ステーを外すために特殊なサイズの工具が必要となる場合があります。

バッテリーの交換方法

手順その1:バッテリー端子の取り外し

バッテリー交換は、両端にある「ターミナル」からケーブルを外すことから始めます。この時、「+ターミナル」から外し始めると、スパナがボディーの金属面に接触してショートしてしまい火花が飛んでしまいますので非常に危険です。ですから、取り外すときは「-ターミナル」から作業を行うようにしてください。同じ理由で取り付けるときは逆に「+ターミナル」からという順番を守りましょう。取り外す順番に注意して「ターミナル」に取り付けているナットを緩めます。

手順その2:ステーの取り外し

通常バッテリーは、ブラケットステーと呼ばれる金属のステーを組み合わせた固定具で動かないように固定されています。これを固定しているナットを緩めステーを外し、ケーブルを完全にわきへよけておき、バッテリーが移動できるようにします。この時ステーやナットをエンジンルーム内に落とさないように注意してください。

手順その3:バッテリー交換

バッテリーは鉛の塊ですから見た目より重いので、しっかりと両手で抱え、周辺の配線類に引っかからないように注意して引き上げ、外に出します。バッテリーの下に敷かれている「受け皿」は、バッテリー液や雨水がたまりやすいので、取り出して水洗いするか、きれいに拭いておきましょう。

手順その4:ステーの取り付け

新しいバッテリーは、端子の向きに注意して古いバッテリーと同じように受け皿において、ステーをしっかりと固定します。しっかりと固定しておかないと、走行中の振動や遠心力で転がってしまいますので、完全に締め付けられたかどうかを確認してください。

手順その5:端子の取り付け

そして、ケーブルをバッテリー端子に+と-を間違えないように取り付けます。取り付けるときとは逆に「+ターミナル」からです。そして、ナットをしっかりと締め付けます。手でゆすっても動かないくらいにしておかないと通電しないのでしっかりと確認してください。また、端子がバッテリー液で白く覆われている場合には、固めの布やワイヤーブラシ、またはサンドペーパーなどでぬぐい落としてから取り付けてください。これで終了です。エンジンをかけてチェックしましょう。

バッテリー交換の時期

消耗品であるバッテリーは、メーカーによって「保証期間」が設定されていて、メーカーや種類によって異なりますが、多くは2~3年となっています。保証期間は、メーカーが異常なく使用できる期間として定めていることから、交換時期として捉えておくのが良いでしょう。

保証期間内でも油断は禁物

しかし、保証期間内であっても交換が必要になることもあります。そんな時には普段とは異なる症状が出てくるので、それを見逃さないようにすることが重要です。

症状のひとつとしては「車のエンジンのかかりが悪い」と感じることです。いつもは勢いよくセルモーターが回りますが、バッテリーが弱ってくるとあきらかに弱弱しく回ります。そんな時にはすぐにでも交換が必要となります。また、「ヘッドライトがいつもより暗い」ということがあります。バッテリーが弱ると、エアコンやワイパーを使用していたりすると、ヘッドライトが暗くなる事があります。この場合もバッテリーが使用する電力を十分に充電できていないという事なので、バッテリーの交換時期と考えられます。

そのほかにも、ウインカーの点滅速度が遅くなったり、最近の車種でしたらアイドリングストップが減ったと感じるようになったらバッテリー交換時期と考えて良いでしょう。また、バッテリーを交換した際は、交換した年月日を記入しておくと次の交換時期を忘れないので記録しておくことをおすすめします。

バッテリー交換時期を早めてしまうケース

バッテリーの交換時期について、メーカーが推奨する時期よりを早めてしまうケースとして考えられるのは、スモールライトや室内灯を点けっぱなしにすることが最も多い事例です。また、エアコン、オーディオなど、さまざまなスイッチをオンにしたままの場合、エンジンをかける際に一度に多くの電力を使うことになるため、バッテリーの交換時期を早めてしまうことがあります。特に1~2月など冬場は、年間を通じて最も車のバッテリー上がりが多いと言われています。冬になり、気温が下がるとバッテリーが十分に性能を発揮できないため、これらのような使い方をしていると、一気にバッテリーが消耗することになるので、冬場はより注意が必要です。

輸入車の場合の注意点

輸入車は国産車に比べて電子制御の高度化が進んでいるため、バッテリーに対する負荷も多くなっています。バッテリーが弱くなることで様々なシステムに不具合を発生させてしまう原因にもなりますので、早めの交換をおすすめします。

そして国産車にも共通しますが、バッテリー交換前には専用の機器を使用し、バックアップ電源を確保したうえでバッテリー交換を行ってください。 バックアップ電源を確保せずバッテリーを外してしまうと、各コンピューターに記録されている設定が消えてしまったり、交換後メーターに警告ランプが点灯してしまう可能性があります。

バッテリー交換しただけでコンピューターが壊れてしまったという事例も少ないながらありますので、特に輸入車は信頼できる整備工場で交換してもらう事をおすすめします。

まとめ

バッテリーは、ご自宅もしくは駐車場で交換できますが、どうしても手や服が汚れてしまいますし、バッテリーはかなり重く、取り付けには力も必要です。慣れてない人や女性には難しいかも知れません。そんな時は信頼できる整備工場に頼むことで安心出来ます。特に自分で交換できたとしても、古いバッテリーの処分に困ることになるのも忘れてはいけません。普通にゴミとして出すわけにはいかないし、バッテリーを購入した店舗なら引き取ってもらえることもありますが、有料となるケースもあります。整備工場ならそんな心配はいらないというメリットがあります。季節の変わり目で点検する際に、同時にバッテリーをチェックしてもらい、必要なら交換してもらうことも考えておくといいでしょう。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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