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自家用車のエンジンオイルはどう選べば良い?エンジンオイルの基礎について

投稿日:2019/10/11

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常に過酷な状況下にあるエンジン内を循環するエンジンオイルは非常に重要で、人間の体に例えればまさに血液にあたります。したがって、エンジンオイルを良い状態で維持することで、エンジンをベストな状態で保つことができます。逆に長い間そのままにしておくとエンジンの性能を十分に発揮できないだけでなく、燃費の低下や思わぬトラブルの原因につながります。そこで、ここではエンジンオイルの役割や選び方、そして交換のタイミングなどを解説します。

エンジンオイルの役割

エンジンオイルの役割について、エンジン内部の潤滑作用ということはよく知られていますが、その他にも、エンジンのシリンダーとピストンの気密性を保つ密封作用、摩擦や燃焼などで発生する熱を吸収して放出する冷却作用、燃焼によって発生した汚れを取り込む清浄分散作用、そしてサビや腐食からエンジンを守る防錆作用という5つの役割があります。

どれもエンジンを動かすためには絶対に必要な役割で、どれが欠けてもトラブルの原因になることから、使用過程で性能低下していくエンジンオイルは定期的な点検と交換が必要となるのです。「オイル交換をいつしたか覚えていない」「オイルの点検をしたことがない」などという方も多く見受けられますが、その結果せっかくの車の性能を発揮できず、調子が悪くなってくる要因になるのです。

エンジンオイルの選び方

そのクルマに合ったエンジンオイルを選んだり、使用状況も考えてエンジンオイルを選ぶことで、クルマのコンディションを維持することができます。

「オイルなんてどれも同じ」などと思っていませんか?エンジンオイルは一つではありません。例えば高性能なフェラーリと、低燃費に優れた軽自動車ではその質や硬さが異なるオイルを使っています。そのためオイル交換する際には、自分の愛車に最適なオイルの粘度を知る必要があります。その粘度を基準に自分のクルマの使用状況や目的に合わせたオイルを選びます。どう選ぶかというと、まず自分のクルマの新車時のオイルを確認してから粘度を決定し、ベースオイルの種類を選ぶことになります。

新車時の粘度(オイルの硬さ)確認

エンジンオイルは、車種によって推奨される粘度が異なり、適したオイルは車種によって変わるため、新車時にはメーカーが推奨する粘度(オイルの硬さ)のエンジンオイルが入っており、取扱い説明書には外気温による使用粘度を表示しているので、それを参考にするのも良い方法です。もっとも多いのが5W-20と5W-30で、輸入車には5W-40や10W-40が多く採用されています。この粘度においては、粘り気が弱くサラサラした低粘度(5W、10Wなど)ほど始動性が良く、粘り気の強い高粘度(30、40、50など)なほど高速性能にすぐれていると言われています。最近は低燃費車に抵抗の少ない0W-20オイルを使用する車もあります。

低燃費車には低粘度オイルがオススメ

低燃費車が売れていることから、低粘度のオイルの需要も増える傾向にあります。低粘度オイルは、優れた高温安定性と高速走行にも耐える油膜の厚さを備え、エコカーのエンジンを保護し本来の性能を引き出してくれることから、低燃費車の性能はこの低粘度オイルを使用することでその性能を発揮することになります。但し、低粘度オイルは指定車以外に利用すると、逆効果となり、トラブルの原因にもなるので、「燃費がよくなる」からと指定車以外には使用するのは厳禁です。

目的や走り方からオイルの粘度(オイルの硬さ)を選ぶ

オイルはその粘度によって、目的や走り方に合わせるさせることが可能になります。 オイルの粘度はエンジンオイルの缶に書かれている「○W-●」という記号で表示されています。これはオイルの粘度指数(オイルの硬さ)を表しており、○Wは低温側の粘度指数、●は高温側の粘度指数を表しています。

数字が大きいほどオイルが硬く、小さいほど柔らかいことを表します。 例えば新車時の粘度が「10W-30」の場合、「5W-40」に変えることでオイルは低温時に柔らかくなりエンジンの始動性を高め、高温時でも油膜切を起こさずに保護性能を向上します。 クルマを寒冷地で使用する場合やスキーなどウインタースポーツによく行かれる方に向いていると言えます。

ベースオイルを選ぶ

高温時の粘度を硬くすると保護性能は上がり、柔らかくすると燃費がよくなるというオイルの性質があり、粘度を硬くすることで燃費は悪化、柔らかくすることで高回転時の保護性能は落ちてしまいます。燃費はそのままで高温時の保護性能を上げるという相反する二つの要求に応えることは可能でしょうか?

実は、粘度はメーカーの推奨そのままで、ベースオイルを変更することでその問題は解決します。ベースオイルとは、エンジンオイルとして使用されることを前提に作られたオイルで、種類によって性能が分かれます。ベースオイルの種類は 化学合成油、部分合成油、鉱物油がありそれぞれに特徴と性質、そして金額が異なり、粘度を変えても変えなくても保護性能を上げたい場合は化学合成油を選ぶことでその要求に応えられます。

・化学合成油

潤滑に最適とされるオイルを分子化した後、化学的に合成したベースオイルです。 高性能なベースオイルとして知られ、エンジン洗浄と車の環境を考えた添加剤で合成されています。 一方で価格は高いため、しっかりと車の環境を整えたい人向きのベースオイルといえるでしょう。ただし、高性能であるがために金額は高めになるというデメリットがあります。

・部分合成油

鉱物油に水素化精製油または化学合成油を20~30%混ぜ合わせたベースオイルです。 基本的な性能は備えたバランスの良いオイルで、価格も化学合成油ほど高価ではありませんが、耐熱性の面で化学合成油をやや下回ります。

・鉱物油

原油から不純物を取り除いて精製されたベースオイルで、量販店で特売品になるケースが多く価格が安いことが特徴のオイルです。ただし、劣化や酸化する頻度が早く、高品質というわけではないので、品質よりも価格を重視したい場合のオイルといえます。価格が安く気楽にオイル交換ができるので、早め早めの交換が理想的となります。

エンジンオイル交換の時期

エンジンオイルの交換時期は車種によっても異なりますが、メーカーでは走行1万~1万5,000kmまたは1年と指定しているケースが多いようです。しかし、日本の交通事情を考えると、もう少し早めにオイル交換した方が良いと思います。新車時のコンディションを維持するためには、5,000kmまたは半年のサイクルで交換するのが理想的でしょう。ちょうど定期点検の時期に重なりますので同時に交換を依頼すると良いと思います。エンジンオイルは、空気や水分、熱などで酸化するため、距離を走らなくても劣化するのです。適切にオイル交換することが、クルマを長持ちさせることにつながります。

オイルエレメントの交換も忘れずに

オイルの交換だけでなく、オイルフィルター(オイルエレメント)の交換も忘れずに行う事も重要です。 オイルフィルターによってオイルの汚れをろ過するので、鉄粉などオイルに混ざった汚れを取り除いてくれます。したがって、フィルターのろ過能力が落ちてくると、汚れたままのオイルをエンジン内部に循環させることになってしまい、オイル交換しても意味がありません。オイル交換のたびに替えるのが理想ですが、費用も掛かるのでせめてオイル交換2回につき1回はオイルフィルターの交換をしましょう。オイルフィルターは車種ごとに異なるので、取扱説明書を確認するか、整備工場や量販店のスタッフに相談しましょう。

まとめ

オイル交換をしないと潤滑や洗浄などオイルとしての性能が劣化し、エンジン内部の摩擦抵抗が増え、パワーダウンや燃費の悪化などを招くことになります。また、オイル交換さえ適切に行っておけば、クルマのエンジンはそうは簡単に調子を崩すことはないとも言えます。自身のクルマと利用状況にあったオイルを、適切な間隔で交換することが必要です。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]