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車の「板金」と「鈑金」って何が違うの?どちらが正しい?それぞれの意味を解説

投稿日:2019/05/30

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車をぶつけてボディがへこんだり傷ついた際に「板金工場」に修理を依頼した方もいるのではないでしょうか。板金工場とは車の外装の修理をメインに行っている場所ですが「板金」ではなく「鈑金」という表記で看板を出していることも多いです。この2つは同じ意味なのか、それとも何かが違うのでしょうか。今回は「板金」と「鈑金」の違いについて解説します。


「板金」と「鈑金」の違いとは?

まずは「板金」と「鈑金」、それぞれどういう意味なのかを解説します。


「板金とは」

「板」という漢字は「薄く平たい木材」を表しています。そのため、本来「板金」は木材を取扱う事業で使用する言葉です。


「鈑金」とは

「金」を用いる「鈑」は、「薄くて平たい形状の金属のもの」を指します。漢字の意味だけで考えれば、金属ボディを用いた車に対しては「鈑金」が正しいと解釈できるでしょう。また「鈑金」には、金属板を加熱せず常温のまま加工すること、金属材料の厚さを減らして板状に薄く伸ばしたものという意味もあります。言葉の意味から考えても「鈑金」のほうが正しいと捉えられるでしょう。


なぜ車に「板金」の字が使われている?

車に対しては「鈑金」が正しいはずなのに、なぜ「板金」の字を使用するケースが散見されるのでしょうか。大きな理由として「鈑」の字が、常用漢字に含まれていないことが挙げられます。学校で教えていない漢字であるため、一般的にあまり馴染みがなく、「板金」の表記としているケースがみられるようです。

屋号で「鈑金」を使っていても、Webサイト内の説明文では「板金」を用いている工場もあります。看板としては「鈑金」を掲げていても、お客様が読みやすいようにと使い分けています。

ちなみに、自動車事業において最初に「鈑金」の言葉が使われたのは、1947年だったといわれています。豊田自動織機製作所(現在のトヨタ自動車株式会社)の板金職工だった荒川儀兵衛が独立して、車の修理と部品の再生をはじめました。このとき設立された工場の名前が「荒川鈑金工業所」でした。

そもそも板金工場とは?

そもそも板金工場とは何をする場所なのか、改めて確認しておきましょう。車の整備工場と混同されがちですが、ボディなどの外装パーツを交換もしくは修理して塗装するのが板金工場です。整備工場には車をメンテナンス、修理するための施設や工具類はありますが、ボディパーツなどの大型部品を扱うスペースや塗装するための隔離されたスペースがなく、別会社に外注しなければなりません。その外注先が板金工場です。

板金工場には専用のスペースが設けられており、塗装用のコンプレッサー、溶接や溶断のための機械、フレーム修正をする設備などが整っています。板金を専業で行っている場合が多く、それだけ専門性の高い職種といえるでしょう。

板金修理ってどんな作業?

事故や衝撃、または老朽化によってへこんだり傷ついたボディを修理するのが板金です。程度が軽ければ、パネルを内側からハンマーで叩いて元通りにします。また、車の中の骨格にまで歪みが発生している場合は、フレームを自走できる状態に修復します。破損が激しく原状復帰が難しい際のボディパネル交換も、板金修理の一種です。

ディーラーも頼る板金工場は車の「外科」?

現在では、新車及び中古車ディーラーの整備工場のほとんどが、板金修理を板金工場に外注しています。事故などで破損した車がディーラーの整備工場に持ち込まれると板金工場に搬送されます。

それでは、整備工場では何をしているのでしょうか。車検や点検、そしていわゆる「故障」という不具合を直す業務がメインです。つまり、人間の病院で例えるならば、整備工場は「内科」で、板金工場は「外科」だといえるでしょう。

修理以外も依頼できる板金工場

車の外観修理をメインに行う板金工場ですが、実は修理以外にも車の加工を依頼できます。自分好みに車を仕上げたいという方にもとっても、心強い味方となるでしょう。カスタマイズや加工を実施している工場は「ボディショップ」を名乗っている場合が多いです。

愛車のカスタマイズ

部品の加工や取り付け取り外し、そして塗装といった作業を得意としているために、エアロパーツなど後付けのカスタムパーツの手配や取り付け作業、塗装を行うショップもあります。また、それらの部品の修理も可能です。

もちろんボディのオールペイントなどにも対応しており、トータルなカスタマイズを依頼できます。修理のついでに純正パーツではなくエアロパーツを取り付けたいという要望に応えるケースも多いようです。

ボディ&ウインドウのコーティング

ワックス不要でメンテナンスフリーという点から、車のボディコーティングの需要が高まっており、対応するショップが増えています。加えて、ウインドウガラスの撥水コーティングや、なかにはラッピング加工を依頼できる場合もあります。


まとめ

意味としては「鈑金」が車に適しているものの、読みやすさの観点から「板金」を使用している工場が少なくありません。いずれにしても誤字というわけではなく、依頼できる内容も全く同じです。

板金修理は、近年技術と最新設備が進歩しており、大きな損傷から小さなへこみまで見事に修復してくれます。万が一大事な車を傷つけてしまった場合には板金工場に相談しましょう。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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