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普段当たり前に使っている車の「板金」とは?実際はどのような作業のことなのか

投稿日:2020/03/11

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「板金」は、車に乗っている人ならら誰もが知っている言葉ではないでしょうか?不注意や事故などで車を傷つけたりへこませると「修理=板金」ということを考えてしまいます。しかし、板金という言葉は知っていても、どのような作業なのか知っている人は少ないと思います。そこで、板金作業の内容やそのメリットやデメリットなど、知っておいたほうが良い基本的な部分を解説したいと思います。

車の「板金」とは?

金属を伸ばしたり曲げたりして加工する作業を板金といい、様々な業種で利用される技術ですが、ほとんどが新しく作り出す加工です。それに対して、車における「板金」は、板金修理と言われるように、主に事故などでへこんでしまったり、経年によって変形してしまったりしたボディを修理して蘇らせる技術を言います。つまり、新しく作り出すのではなく、元に戻す作業となります。

また、その作業では、ボディの塗装を剥がすことが必要となるので板金作業の後は、再び塗装して元通りにすることから板金塗装として一括の作業とされることが一般的です。

そして、板金は、傷ついたボディをむやみに交換することなく行なう事から、無駄がなく修理費用を抑えるためにも欠かせず、省資源にもつながる技術なのです。

状況によっては板金出来ない・しない方が良い

板金では、ボディのへこみや膨らみを、あて板や板金ハンマーなどといった専用の工具を用いて、ボディを元の形に成形します。しかし、どんな状況や条件でも板金できる訳にはいきません。アルミは板金が難しいのと、強度が弱いので、板金よりも交換した方が良く、FRPなど樹脂系のバンパーなどは板金とは異なる修復法が必要となります。また、通常なら板金作業が可能な部分でも、損傷が激しい場合や複雑な形状の部分などは交換する方が安く仕上がったり、その後の耐久性にも安心できるケースもあります。

修理が必要となるケース

前後のフェンダー

狭い路地での方向転換、駐車場への出し入れ、縦列駐車時など、ハンドル操作ミスによって、よく傷つけてしまいます。進行方向に対して水平のすり傷となりますが、相手の物や勢いによっては大きくへこむことも良くあります。特に最近の車は空気抵抗を低減するために、ボディの形状が丸みを帯びており、車体の見切りが悪い場合があり、ぶつけたり、擦ってしまうケースがあります。

ボンネット

一見丈夫そうに見えるボンネットですが、大きな衝突では乗員の保護のためにあえて簡単に変形するようにできています。先端をぶつけただけで盛り上がることもあります。また、走行中に石などの異物が飛来したり、駐車中にモノが落ちたり、いたずらも考えられます。そして、傷ついたり変形すると非常に目立つのがボンネットです。

ルーフ(屋根)

大きな事故以外では傷つく可能性の低そうなルーフですが、ワンボックスカーなど背の高い車種で立体駐車場のゲートや高さ制限のある場所で擦ったり、雪の重みでへこむ場合、あるいはルーフキャリアの取付時に傷つけるケースがあります。目立たないために発見が遅くなり、放っておくと錆びが出やすい箇所でもあります。

トランク(リアゲート)

バックするときに、障害物にぶつけたり、突起物のある場所でうっかり開けた時に傷つけることが意外と多い部分です。特にミニバンなどの大きなリアゲートは思ったよりも大きく開くので、その頻度は高くなります。また、リアバンパーの張り出しが小さく、位置も低い車種が多いためにトランクやリアゲートに直接ぶつかるのも最近の車の特徴です。変形すると開閉に支障があるので厄介な部分です。

前後のドア

勢いよく開けてぶつけたり、自転車やバイクに接触する事故も良くあります。ドア自体は丈夫にできていますが、乗員を保護するのが目的なので簡単に変形します。また、複雑な形状のデザインが多い部分でもあるので、小さなへこみや傷でも非常に目立つのが特徴です。

その他

ドアミラーやバンパーなどの樹脂製の材料を使用したパーツを除き、いずれの場合も板金と塗装で修理が可能です。ただし、ドアミラーやバンパーであっても、衝撃の大きさによってはその付け根部分の金属部分やステーなどが変形していれば、板金作業も合わせて必要になります。

また、ボンネットやドアには、内部に補強部品が使用されているために、損傷の程度によっては修復不可能になるケースもあります。また、最近スポーツモデルや高級車で多くなっているアルミ製のボンネットやトランクの修復作業は特殊な技能が必要とされるので、一般の修理工場では出来なかったり、修理費用が交換するより高くなる場合もあります。

板金のメリット

ボディなどをへこませたり傷ついた場合に、部品を丸ごと新品交換すると傷の大きさにかかわらず高額な費用となります。しかし、板金であれば傷やへこみなどの面積が狭ければ、フロントフェンダー、フロントドア、リヤドア、リヤフェンダーを交換することなく元の形に戻せるので、コスト、時間、環境面からもメリットがあります。

具体的な板金の方法

外板板金

「外板板金」は一般的にバンキンと呼ばれる作業で、フロントやリアなど外側の金属製のパネルを復元する作業で、例えばドアは枠となるフレームの外側と内側のパネルに分かれており、外側のパネルを板金する作業が「外板板金」となります。外側のパネルの内部にハンマーやあて板などを使ってする作業です。ボンネットやトランク(リアゲート)も同様の作業が行われ、場合によっては取り外しての作業になります。

内板骨格修正

「内板骨格修正」は事故などで損傷が大きく、外側のパネルだけでなく、骨格(フレーム)まで変形が及ぶ場合に行う作業となります。ボディ修正装置やフレーム修正機などと呼ばれる特殊な機械を用います。しかし、車体のフレームにまで修正が必要となると費用も高くなり、保険会社が全損扱いとする基準となります。高級車や特別に価値のある車以外はここまで修理せずにあきらめることになるかもしれません。

パネル取替

損傷が大きく破損が著しい場合や、修復が困難で時間がかかったり、強度が保てない場合、そして高額になってしまう場合にはパーツそのものを交換することになります。さらに、安全上重要なパーツの場合には、修理ではなく交換が最適なことがあります。その場合、パーツにはフロントやドアパネル、ボンネット、トランクリッドのようなボルトによって取り替え可能なものと、リアフェンダーのように溶接が必要なものが、車種などによって異なり、作業方法も時間、工賃も変わってきます。

板金に付き物の塗装作業は?

板金作業やパーツの取り換えや溶接を行う場合、程度の大小にかかわらず塗装を剥がして行う必要があります。塗装を剥がして修復した後には、再度塗装しなければ作業は完了しません。

その塗装方法にもいくつかの種類があります。ドアのパネルのように、その修復部分を全部塗装することを全塗装と言い、一部を部分的に塗装することを部分塗装と言います。部分塗装の方が費用も安くなりますが、まわりとの差がわかりやすいという事もあります。そのため、周辺との色合いの差をなくすために、塗装する範囲を大きく取り、補修部分が目立たなくする必要があります。この色合わせが塗装における技量の差になります。

その車に使う塗料は新車時のものとまったく同じものが使われますが、車自体が経年変化で色あせしているために、同じ色合いにはなりません。また、組み立てラインでの塗装方法と修理工場とでは塗装の方法が異なるのも原因となります。さらに、メタリックやマイカ塗装、自己修復塗装など、色合わせが非常に難しい塗装が多く、塗装作業は非常に難しいことになります。

まとめ

板金修理においては、修理箇所の大きさや破損状況によって修理方法や料金が変わってきますので、必ず修理工場に出向いて実際に修理見積もりをしてもらう必要があります。そして、納得いく料金と修理方法などを相談して、修理工場のすすめる板金修理を行うことがベストとなります。注意しなければならないのは、板金修理が必要な状態で放置しておくと錆の発生や破損箇所の劣化が進むので、早めの修理をすることです。万が一ボディを傷つけてしまって修理が必要となった場合は、早めに信頼できる整備工場へ修理依頼する事をオススメします。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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