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ラジエーターって交換は必要?いくらかかるの?実は重要なラジエーターの役割

投稿日:2019/10/16

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皆さんは、「ラジエーター」というものをご存知でしょうか。車のエンジンを冷却させる為の部品です。このラジエーターが故障した場合、交換や修理をする必要がありますが、どのようにしたらいいか、また、故障する原因などは何かなどご紹介したいと思います。

ラジエーターとは?

では、まずラジエーターとは一体何なのか、ご紹介いたします。 (ラジエーターとは、他に「ラジエータ、」や「ラジエター」と読み書きされます。)

熱交換器の1つで、冷却対象の流体、熱源の流体を内部に流し熱伝導を利用して放熱さます。内部機関、コンピューター部品の集積回路を水冷した冷却液を冷却するため用いられ、過給機付きの内燃機関では圧縮された空気を冷却する際にもラジエーターが使われるモデルもあります。 オイルを冷却するものについては「オイルクーラー」、過給された空気を冷却させるものについては「インタークーラー」と区別され呼ばれています。

水冷エンジンの自動車で、エンジンの温度を一定に保つ為にラジエーターが装備され、基本的にはエンジンルームで風通しの良い位置にあり、とても重要な役割を果たしています。エンジンの搭載場所が前方ではない車だったとしても、ラジエーターは風通しの良い位置に設置されています。

ガソリンや軽油を燃料として稼働しているエンジンでは、シリンダー内で連続的に燃料を爆発させることで動力を生み出し、その際に「高熱」を発生させます。高回転でエンジンを運転させた場合には、熱を逃がすことができずに「オーバーヒート」を引き起こし、大変な故障を引き起こす可能性もあります。

また、エンジンが高熱により変形し、全損となる可能性も出てきます。エンジンは、全損となると二度と使うことが非常に難しくなります。「オーバーヒート」などが原因で全損とならないようにする為、冷却水を循環させエンジン内部の温度を一定に保つ為にラジエーターが必要になります。 エンジン内部が損傷することで、エンジン自体が焼き付き全損となる可能性もある他、オーバーヒートによってエンジンオイルが焼き付いてしまい、致命的なトラブルを引き起こす原因となるかもしれません。

ラジエーターの仕組み

冷却液はエンジン内に設けられているウォータージャケットという水の通路を通りシリンダー周辺に循環されエンジンの熱を奪う役割を果たします。エンジンの熱を奪うことで冷却液の液温が上昇しますので、その冷却液をラジエーターに流し込み、ラジエーターに当る風で冷却液を冷やします。そして冷やされた冷却液がエンジンに戻り循環する仕組みになっています。 結果として、エンジン温度を一定以上に上昇させないような仕組みになっています。

この仕組みがうまくいかなくなると、エンジンが高温となり回転がおかしくなってしまったり、車の動作に悪影響が及ぼされる他、オーバーヒートなどの大きな故障に繋がったりする結果となります。ラジエーターの故障を放置しておくと、エンジンが損傷する他、走行不能に陥ったり、重大な事故を引き起こしたりする可能性があります。

ラジエーターが正常に作動しないと車のアクセルを踏んだ時に異音が生じるだけではなく、水温計が振り切れた状態になり、ラジエーター交換だけで済む範囲だった故障がそのまま走行することでエンジン全損を招く可能性があります。故障や異変を感じた際にはすぐに修理工場へ持って行くことをオススメします。 そして水温計がいつもより上昇していたり水漏れを起こしたりしている場合は、気づいた段階で専門の修理工場に持ち込む必要があります。

ラジエーターの修理・交換費用の相場

ラジエーター部品を純正部品か社外部品に交換するかという選択によって価格が変動します。車種によって部品の値段が異なってきますので、ラジエーター代で金額に差が生じます。ディーラーか整備工場かという点でも修理費が異なってきます。一般的な予算は、3万~8万円程度になります。

ラジエーター全部を交換するのではなく、構成部品のみを交換することで収まる場合もあります。 タンク修理もしくは交換では15,000円程度の費用で修理や交換が完了する場合があります。 また、冷却液が通るラジエーターコアが劣化していたり、水漏れの原因になっていたりすれば、タンクの交換と同様の費用で収めることも可能です。

冷却液にはロングライフクーラント(LLC)という特別な冷却液が使われており、LLCの入れ替え費用で1万円程度の費用がかかります。 冷却液の主成分はエチレングリコールで、寒冷地では凍結を防ぐために「不凍液」が混ぜられています。基本的には、エンジンなどの機器を傷つけないために「防錆剤」が添加されています。赤や青などの色がついているものが多くありますが、これは誤飲などを防ぐ為に着色されています。

ラジエーター全部を交換・修理するよりは、程度によって構成部品の交換・修理のみで済むような状態であれば、高額な費用がかからないで済む可能性があります。 修理工場へ持ち寄った時に、しっかりと診断をしてもらって整備士の判断を仰ぎましょう。

ラジエーターを故障させない方法

ラジエーターは、10年程度が寿命だと言われています。車の寿命と同じ位重要で長くもつ部品とも言えるでしょう。しっかりメンテナンスしておけばラジエーターだけが早くに壊れてしまうという可能性は低いです。ここでは、故障させないようにする方法などをご紹介いたします。

①冷却液の定期点検・定期的な交換

ラジエーターが早期に破損する可能性が滅多にありませんが、冷却水(LLC、クーラントなど)は、2年程度が寿命なので、定期点検の時に交換をしておくことが大切です。冷却水の劣化によってラジエーター本体が故障する可能性もあるので、日頃から点検しておくことが重要でしょう。

エンジンルームにあるリザーバータンクの冷却水の水量も定期的に確認しておくことも大切です。(リザーバータンクは、エンジン稼働中でも目視で確認できます。) クーラントは腐食性能があるので、時間の経過と共に酸化する他、防錆剤の性能が長時間使用していると経年劣化してきます。冷却液が少なくなったら継ぎ足しをする必要もありますし、定期的に点検することが大切です。

また、冷やせればいいという理由で「水道水」を使う人もいるようですが、不凍液や防錆剤が入っていないので、エンジンやラジエーターを錆させてしまい破損させる原因にもなりかねません。水道水は液漏れや緊急時に使う以外で使用するのはやめましょう。

②エア抜き

ラジエーターを交換した場合はラジエータータンクに空気が残ってしまっている可能性があります。空気が残っていることで冷却液の温度が高くなってしまう可能性があるので、ラジエーター冷却液を注入する際に、エア抜き作業が必須項目となります。 この作業は、整備工場で必ず実施している作業なので一般的にはしなくても大丈夫な作業ですが大事な作業でもあります。

③ラジエーターキャップの劣化

ラジエーターキャップが劣化すると冷却液を冷却する効果が低下し、冷却液の温度が上昇する可能性がある為、5年を目途に交換することが大切になります。定期的な交換をすることで破損を防ぐことができるので、定期点検の時に修理工場でチェックしてもらいましょう。

まとめ

ラジエーターの役割など、ご理解いただけたでしょうか。 ラジエーターには次の役割があります。

・液体や気体の熱を放熱する。

・冷却水や潤滑油の冷却を行う。

室内に設置されているラジエーターと同じ構造のヒーターコアでは、温水や蒸気を熱源として暖房にも用いられています。ラジエーターが故障すると車がオーバーヒートなどを引き起こしてしまうかもしれませんので、不具合など起きた場合には信頼できる整備工場に持ち寄ってみてもらうようにしてください。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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