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車のブレーキから異音が聞こえたら?原因と対策をプロが解説

投稿日:2019/07/23

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車にとってブレーキは乗っている人の命にかかわる重要なパーツ。踏めば止まるのが当たり前と思われていますが、ブレーキは使用頻度も高く常に高温や摩擦と向き合っているために消耗は他のパーツ以上に激しいのです。そして普段なかなかチェックできないブレーキも、耳慣れない音がしたらそれは異常のサインです。 故障ならすぐに修理工場へ行かなければなりません。そこで異音からわかるブレーキの異常とその原因、そして対処方などをご紹介します。

ブレーキから異音が聞こえる原因は?

ブレーキペダルを踏んだ時に聞こえる異音は非常に不快なだけでなく、不安な気持ちにさせます。そして、その音の種類によって原因が異なります。では、どんな音がどんな原因によるものなのでしょうか。

キーっという異音が聞こえたら、ブレーキパッドの消耗・減りが考えられる

まずはブレーキの異音としてお馴染みの「キーッ!」という音。ブレーキが車を減速させ停止させる仕組みとしては、タイヤを回転させる軸に取り付けられたブレーキディスクをブレーキパッドで挟み付けて、その摩擦によって制動力を発揮しています。

そのためにブレーキを使用するたびにパッドの方が消耗することになり、そのパッドが減り続けた結果、薄くなりすぎると甲高い「キーーッ」音が聞こえてきます。これは故障ではなく交換時期を知らせるためで、交換の目安となるまで薄くなると異音をわざと出すようになっており、乗っている人に交換を知らせる仕組みなのです。ブレーキパッドはメーカーによって異なりますが、新品で10mmほどの厚みがあり、これが2〜3mm以下になると交換の目安とされています。そしてここまでくるとブレーキの性能が低下しているケースが多く、いつも通りブレーキペダルを踏んでも思ったより利きが悪いといった症状も出ているはずです。

ブレーキディスクの摩擦による振動音の可能性も

「キーーッ」という異音のもうひとつの原因としては、ブレーキディスク側に原因がある可能性もあります。ブレーキパッドには問題がなくても、ブレーキディスクの問題から同じように「キーッ」音が聞こえる事があります。これは回転しているディスクとパッドが接触をして振動を発生し、いわゆるブレーキを引きずっている状態で、パッドやディスクの摩擦面に問題があると振動がサスペンションやボディに伝わり、「キーッ」音が聞こえてくることもあります。

ゴーという異音が聞こえたら、ブレーキディスクが錆びている可能性

次は「ゴー」という音。長く乗っていなかった時に聞かれる音で、外部に露出しているブレーキディスクが長く放置していたため錆びたことが原因と考えられます。その状態でブレーキを踏むと、ゴーというパッドとディスクがすれて異音が発生します。軽度なら、何度かブレーキを踏むことで消えますが、錆が進行していると問題です。また、長期在庫の中古車などでも同じことが言えます。

シューという異音が聞こえたら、ブレーキブースターのエア漏れ

「シュー」という音は、前記の音より深刻です。ブレーキブースターの異常、主にエア漏れの可能性があるからです。ブレーキブースターは、ブレーキの踏む力を強い力に変換することから倍力装置とも呼ばれ、負圧を利用してブレーキの制動力を高める構造になっているため、エア漏れが発生するとブレーキの利きが悪くなる原因となります。

ブレーキの異音への対処法

今度は異音がしたときの対処方をご紹介しますが、基本的には異音がした段階で最寄りの整備工場やディーラーに持ち込むことが重要です。そのまま放置しても自然に直ることはありません。

ブレーキパッドの消耗や減り

ブレーキパッドは、1mm以下になると効きが悪くなり、事故につながる恐れがあるので早めに交換作業を行う必要があります。ブレーキパッドの寿命は約4万キロほどですが、残量が1.6mm以下になるとまず車検は通りません。キーッという異音が聞こえるのはそれを知らせるためで、わざと音が出るように作られているので、異音を消すという処置は出来ませんし、してはいけません。車の重大な異常ではなく、ブレーキパッドの交換を知らせる警告音だということを知っていれば慌てずに済みます。また、日頃から定期点検などをしっかりと行っていれば、そろそろ交換の時期を整備士が教えてくれるので、早めに交換することが出来ます。

ブレーキパッドとブレーキディスクの摩擦による振動音

ブレーキパッドとブレーキディスクの摩擦による振動音の場合は、ブレーキパッドの面取りやグリスアップをすることで改善できる場合があり、ブレーキパッド用の鳴き防止剤を利用することも可能です。ただし、原因が摩擦によるものなのか他の原因によるものなのかは判断が難しく、応急処置を施したあと音が収まったとしても、整備工場へ点検に出すことが基本です。また、やたらグリスアップをするとブレーキの利きが悪くなるのも注意しなければなりません。

また、まれにディスクが変形していたり、大きく傷が付いていることもあり、その場合はディスクの交換になってしまいます。

ブレーキディスクの錆び

ブレーキディスクの錆びは、走行中にブレーキペダルを何回か踏むことで落ちていくことが多いので、その後異常がなければ解決しますが、音が消えなかったり毎日乗るたびに繰り返されるようだったり、さらに他の音が聞こえたりするようなら整備工場でブレーキディスクの表面研磨をお願いしなくてはなりません。ボディの錆ならほっておいても事故にはなりませんが、ブレーキを正常に機能させるためには錆はないほうが良いのです。

異音が出る前にメンテナンスを

これらの異常を感じたら整備工場に持ち込むことが基本ですが、異音がする前に各部品の早めの交換や各部のメンテナンスをすることで、異音がするまでもなく安全に車を利用することが出来ます。特に長距離のドライブ先や途中で異音が発生して慌てることを防ぐためにも、普段からの定期点検や、長距離ドライブ直前の点検を整備工場に依頼することを検討しておきましょう。

自分で点検する場合は、エンジンルーム内のブレーキ液の減り具合で確認できます。ブレーキパッドが減ると液面が下がるので良くわかります。しかし異物混入を避けるため、中を開けてのぞいたり補充しようとしては絶対にいけません。

人よりブレーキが消耗する原因

まだそんなに走っていないのにブレーキパッドが減っていると言われる人もいるかもしれません。原因としては、ブレーキの使い過ぎなのですが、信号が赤になるタイミングなのに直前までスピードを緩めなかったり、カーブの多い道で速度の上げすぎで頻繁にブレーキをかけていたり、あるいは常にブレーキペダルに足を載せるクセがあったり下り坂でブレーキをかけっぱなしだったりするなど、テクニックというよりクセの問題があると思います。また、サイドブレーキを掛けたまま走行するといったことがあればブレーキが摩耗してしまいます。

まとめ

ブレーキの異音はブレーキの異常を知らせるサインです。どんなに車のことを知らない人でも「おかしい?」と思うような音ばかりです。車にとってブレーキは命を守る大切な部品です。もし、極端に利きが悪くなったら例え自動ブレーキが付いていても意味がありません。そして、ブレーキがちゃんと働くようにしておくことは車の所有者の責任です。さらに資格を持つ整備士以外は分解ことが出来ず、手を触れてはいけない部分もあるので、異常を感じたらなるべく早く整備工場に持ち込むことが重要です。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]