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タイヤの空気圧が低いと車検に落ちる?

投稿日:2020/11/19

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車が走行する上で重要なのがタイヤです。傷などがなく山も十分残っている事はもちろん、適切な空気圧でないと本来の性能が発揮されないだけでなく、重大な事故の原因となってしまうのです。では、安全上重要なタイヤの空気圧は、車検の際にチェックされることがあるのでしょうか。そこで、タイヤの空気圧と車検での問題、さらにその理由や点検方法について解説します。

タイヤの空気圧は車検でチェックされるのか

長く車を運転していても、タイヤの空気圧について詳しい人は意外と少ないのではないでしょうか?また、タイヤの空気圧はどのくらいが適正で、車検ではどう判断されるのでしょう。

タイヤの空気圧とは何のこと?

タイヤの空気圧には、タイヤ内に入っている空気の量を示す「指定空気圧」が定められています。そして、「指定空気圧」は車の大きさや重さなどによって違う数値になっています。 車の大きさや重さはバラバラなため、車を製造するメーカーはそれぞれの車両ごとに最適な数値を決めていて、スポーツカーなどの高性能車などでは前輪と後輪で「指定空気圧」を変えているケースもあります。 そして、タイヤの空気圧は時間が経つと減ってきます。タイヤはゴム製品であり、走行してなくても、常に数百キロから数トンもの重量を支えているために、空気圧は低下していく傾向にあります。

空気圧は車検でチェックされるのでしょうか?

車検ではタイヤの空気圧は問題になるのでしょうか?車検で不合格にならないためには車検での空気圧の問題を知っておくべきです。 車検の検査項目には空気圧の測定結果はありません。検査ではタイヤの状態を検査員が目視程度するだけです。そのため、タイヤの空気圧が減っていても、それが理由で車検が不合格になることはありません。

タイヤの空気圧が減っていても車検に落ちることはありませんが、空気圧が低すぎると他の検査項目に影響が出る可能性があります。例えばハンドルをまっすぐにした状態で直進したとき、どのくらい横ずれするかをチェックする「サイドスリップ」検査があります。 サイドスリップ検査では、タイヤの空気圧が「指定空気圧」下まわると、タイヤが横に滑る幅が大きくなることが多く、空気圧を直接チェックしなくても、そのことによって車検に通らなくなってしまうのです。 つまり、タイヤの空気圧が原因で車検の検査に落ちることはなくても、空気圧が原因で検査に落ちる可能性はあるのです。したがって、車検時にはタイヤの空気圧を「指定空気圧」に保っておく必要があります。

整備工場へ車検整備を依頼すると、車検項目の確認だけではなく法定点検も実施してもらえます。法定点検ではタイヤの空気圧点検と調整も行ってもらえるので、整備工場へ車検整備を依頼するとより安心ですね。

タイヤの空気圧をチェックすべき理由とは?

車検に通るか通らないかという問題にかかわらず、タイヤの空気圧は「指定空気圧」でないとタイヤ自体に重大な影響を及ぼすので、空気圧は正常であるかを常にチェックしなければなりません。注意したいのは、タイヤは空気圧が低い場合だけでなく、高い場合も悪影響が出てしまうという事です。では、空気圧が高い場合と低い場合、それぞれどんな影響が出るのでしょうか?

タイヤの空気圧が低いと危険

タイヤの空気圧が低下したまま走行すると、パンクする可能性が高くなります。空気圧が低下するとタイヤが路面に対してたわみが発生し、カーブなどを曲がるときなどにタイヤが異常な減り方をして偏摩耗を起こしやすくなります。 それを繰り返し放置しておくことで、パンクや少しずつ空気が抜ける原因となる事があります。その結果、サイドスリップの検査で安全性に問題ありと判断されるように、ハンドルが左右に取られてクルマの操縦性が下がるという危険性が出てきます。

さらに、タイヤの空気圧が低いことでハイドロプレーニングやヒートセパレーションという危険な現象を起こし、重大事故に直結する可能性があります。 ハイドロプレーニング現象は、雨天時に走行した場合にタイヤ溝からの排水が十分にできずタイヤが水の膜に浮いてしまい、ブレーキやハンドルが効かなくなる現象の事です。ヒートセパレーションは、タイヤの内部が高温になり剥離してしまうことを言います。この場合はタイヤがパンクではなく破裂するバーストを起こす非常に危険な状態になります。ハイドロプレーニングもヒートセパレーションも車の制御が不能になるので重大な事故につながります。 加えて、車の燃費が悪くなることが挙げられます。タイヤの空気圧が低いと、タイヤと道路との摩擦抵抗が増え、燃料を多く使うことになります。空気圧が低すぎると危険な事はもちろん、経済的にもマイナスとなってしまいます。

タイヤの空気圧が高くても危険

タイヤの空気圧が低いと危険だからと、あえて高めにしておこうという考えは間違いです。タイヤの空気圧は「指定空気圧」より高すぎても別の問題が発生します。 タイヤの空気圧が高いとタイヤが通常より膨らんでしまいます。その結果、路面からの衝撃を吸収できずわずかな段差にも過剰に反応し、跳ねるような硬い乗り心地になります。 乗り心地が悪いだけなら良いのですが、空気圧が高いとタイヤと路面と接触するトレッド面積が狭くなり、摩耗が早くなる偏摩耗によってコード切れやバーストを引き起こす可能性が高くなります。タイヤの空気圧は高ければ良いというわけではないのです。

タイヤの空気圧を点検する方法と時期

安全のためにもタイヤの空気圧を点検しなければなりませんが、自分で点検することはできるのでしょうか?次にタイヤの空気圧を点検する方法と、どのくらいの頻度で点検したらいいのかを解説します。

タイヤの空気圧を点検するには

タイヤの空気圧は専用のタイヤエアーゲージという測定機を使って測り、空気圧が足りない場合は空気充塡機で補充します。ガソリンスタンドやディーラー、そして修理工場で依頼すれば空気圧の測定や調整をしてもらえます。多くの人が利用するセルフ方式のガソリンスタンドでもタイヤの空気充塡機が設置してあり、自分で作業したり、スタッフがいれば頼むこともできます。

また、カー用品店や大手Webサイトでもタイヤエアーゲージが販売されているので、購入しておけばいつでも自分で空気圧を測定することが出来ます。Webサイトでは価格が1,000円を切るものから2,000円前後という手頃な価格で手に入ります。 自分の車の指定空気圧値は、マニュアルに記載されているほか、運転席のドア開口部やガソリン給油口の蓋裏面などに記載されたシールが貼られているため、その数値通りの空気圧かどうかをチェックします。 測定方法は簡単です。測定機のホースの先端をタイヤのエアバルブに空気が漏れないように角度に注意し押し当てて測定するだけなので、初めての方でも簡単にできます。

しかし、これらはあくまで測定機であって、空気を補充することはできません。減った空気圧を補充するには空気充塡機のあるスタンドなどに行く必要がありますが、最近はこれも小型の電動充填機が発売されており、価格も3,000円からあるので用意できればスタンドなどにわざわざ行かなくても済みます。

タイヤの空気圧をチェックする時期と頻度

タイヤの空気圧チェックは、毎日チェックする必要はありません。3ヵ月に1度程度でも問題ありませんが、年間走行距離などの使用頻度によっても異なり、高速道路を利用したり長距離を走行する前などにもチェックしておくと安心です。 特に高速道路上では、一般道路よりもタイヤに負担がかかるため、タイヤの空気圧が「指定空気圧」より低いとパンクしたりバーストを起こす可能性が高くなり、重大な事故につながるため必ずチェックすることをおすすめします。高速道路走行前は指定空気圧より0.2~0.3baほど高めに調整することがポイントです。 また、車を買い替えた場合は以前に乗っていた車と「指定空気圧」が異なっている場合が多いのでチェックが必要です。

そして忘れがちなのがスペアタイヤの空気圧です。最近はスペアタイヤを設置していない車も増えましたが、パンクなどのトラブルが無い限りトランクに積載されたままの場合が多いと思いますので、6ヵ月~1年に1回程度確認しておく事をおすすめします。 いざパンクした時にスペアタイヤの空気が入っていなければ、応急で走行することも出来なくなってしまいますので注意が必要です。

まとめ

タイヤ空気圧の大切さを知っていただけましたでしょうか。タイヤの空気圧によって車検に落ちることはありませんが、安全に運転するためには必ずチェックする事が必要です。チェック時はその車にあった指定空気圧にすることが必要で、低すぎても高すぎてもトラブルの原因になってしまいます。空気圧の調整はカー用品店やディーラー、整備工場でも行っていただけますし、自分で道具を揃えていつでも確認できるようにしておくのも良いと思います。空気圧は走行する環境によっても調整が必要で、定期的なチェックも必要です。タイヤ空気圧も気にしておくことで安心安全なカーライフを過ごすことができますね。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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